小さくてかわいらしい姿や活動的な性格からチワワは日本においてもペットとして非常に人気のある犬種となっています。チワワを飼うのであれば、できるだけ健康で長生きしてほしいものですよね。チワワは身体が小さいですが虚弱というわけではありません。しかし、チワワがかかりやすい病気というのもあります。一体どのような病気にかかりやすいのでしょうか。
チワワがかかりやすい病気
チワワがかかりやすい病気を紹介します。ただし、ここで紹介した病気以外にはかからないということではありません。健康管理に努め、体調に異常を感じたら動物病院で診察を受けましょう。
膝蓋骨脱臼(パテラ)
膝のお皿が脱臼する病気です。英語では「Patellar Luxation」といい、そこからパテラと呼ばれることもあります。すべての犬種で発症する可能性はありますが、チワワのような小型犬で多く見られます。先天的になりやすい場合が多いですが、高所からの落下などで後天的に生じる場合もあります。発症すると、足を触ると痛がる、後ろ足を上げたまま歩く、散歩を嫌がるというような症状がみられます。軽症の場合は自然と治ることもありますが、重症の場合は手術が必要となります。
膝蓋骨脱臼の予防としては、床にカーペットを敷いて滑りづらくする、高いところからジャンプをさせないようにする、肥満にならないように食事や運動を管理するといった方法があります。
膝蓋骨脱臼(パテラ)とは?ペット保険で補償される?
特に小型犬を飼っている場合、気をつけたい病気の一つに膝蓋骨脱臼(パテラ)があります。膝蓋骨脱臼とはどのような症状が出るのか、どのように予防すればよいのか、ペット ...
続きを見る
水頭症
脳脊髄液が何らかの理由で頭蓋内に過剰にたまり、脳を圧迫して様々な症状が出る病気です。先天性のものが多く、チワワのような小型犬は発症しやすいといわれています。また、脳炎や脳腫瘍、脳内出血などが原因で後天的に発症することもあります。水頭症の症状は圧迫される部位や期間などによって異なりますが、行動異常、けいれん、意識障害、運動障害、麻痺、斜視などが起こります。先天性のものが多く予防は困難ですが、早期発見・早期治療により症状を緩和できる場合があります。
尿路結石
尿が体外に排せつされるまでの尿路(腎臓→尿管→膀胱→尿道)に結石ができる病気です。膀胱炎や尿道閉塞の原因ともなるので早めの治療が大切です。尿道が詰まって排せつできなくなると毒素を体外に出せずに命の危険にかかわることにもなります。血尿や頻尿、トイレに行ってもほとんど排尿しない、排尿時に痛そうに鳴くというような症状が見られたら、動物病院で診察を受けましょう。予防のためには、充分な水分を取ること、食事に気を使うこと、肥満を防ぐこと、トイレをきれいにして排尿を我慢させないことなどが大切です。
気管虚脱
何らかの原因で気管がつぶれたような形に変形して呼吸に障害を起こす病気です。乾いた咳をする、ガーガーという呼吸音がするといった症状から始まり、症状が重くなると呼吸困難やチアノーゼ(血液中の酸素が不足して舌が紫色になる)、失神などが現れることもあります。治療は、初期のうちは咳止めなど症状に合わせた薬を服用します。場合により、気管の形を整復する外科手術が行われることもあります。はっきりとした原因はわかっていないので予防は困難ですが、肥満にさせない、無駄吠えさせない、首輪ではなくハーネスを使用してのどへの刺激を減らす、ということを心掛けるとよいでしょう。
僧帽弁閉鎖不全症
心臓の僧帽弁という弁がきちんと閉まらなくなり、血液の逆流を起こしてしまう病気です。犬に最も多い心臓病で高齢の小型犬に多く起こります。初期の場合はほとんど無症状で検診時などに心臓の雑音で判明することが多いです。病気が進行すると、咳が出る、疲れやすくなるなどの症状が現れ、さらに進行すると心不全を起こします。治療は投薬によるものと手術によるものがありますが、手術はできる病院が限られています。投薬は心臓の負荷を軽減させることが主体で、治療が早ければ心不全になるのを遅らせたり心不全の症状を和らげたりできます。定期的な健康診断による早期発見・早期治療が大切です。
角膜炎
角膜炎とは黒目を覆う透明な膜である角膜に炎症が起きた状態のことです。チワワは目が大きく鼻が短いため、角膜炎を起こしやすいです。目やにが出る、涙が出る、目をしばしばさせる、目が充血しているというような症状がみられる場合は動物病院を受診しましょう。治療は点眼薬などによりますが、重症の場合は保護用のコンタクトの装着や角膜の移植などが必要となることもあります。目に毛が入らないようにトリミングする、シャンプーが目に入らないように気を付ける、散歩のときは草や小枝のあるような場所は避けるというようなことが大切です。
犬の治療費は全額飼い主負担
犬には人間のような公的医療保険はないので、治療費は全額飼い主負担となってしまいます。そのため、長期間の通院が必要になったり入院や手術が必要になったりすると、治療費として数万円、数十万円とかかってしまうこともあります。十分な収入・貯蓄があるので問題なく払えるという場合はよいのですが、そうでないのであればペット保険の加入を検討しましょう。
ペット保険に加入していれば、補償の対象となる診療についてその費用を限度額や一定割合の範囲内で補償する保険です。限度額は通院1日あたりいくら、年間いくらまで、手術1回あたりいくらまでというような形で決められていて、補償割合は50%や70%を選択肢として選べることが多いですが、中には80~100%の補償割合を選択することができるものもあります。例えば、補償割合が70%のペット保険に契約していて、治療費として10,000円かかった場合、保険金を請求することで7,000円受け取れるというような形です(免責金額の設定がある場合はこれより少なくなる場合があります)。
ペット保険の補償割合って何?
ペット保険を選ぶときに大切なものの一つに補償割合があります。人間が入る医療保険ではあまり見かけない項目ですがどのようなものなのでしょうか?ペット保険の補償割合と ...
続きを見る
ペット保険は基本的に加入できる年齢に上限があり、多くは8歳~12歳で設定されています。また、人間の保険と同じように、病気になったらペット保険には加入しづらくなったりその部位の補償を受けられなくなったりしてしまいます。選択肢が多くなる若くて健康なうちにペット保険の検討をすすめましょう。
高齢のペットでもペット保険に加入・更新できる?
飼っているペットが高齢になるにつれて病気やケガの心配が増えてきます。公的医療保険がある人間と違い、ペットの治療費は全額自己負担なので病気やケガをしたら高額な治療 ...
続きを見る
チワワのかかりやすい病気をカバーできるかチェック
ペット保険は保険会社によって補償対象となる病気・ケガの範囲が異なります。保険料だけで飛びつかずに、その保険がチワワがかかりやすい病気をカバーしているのか確認が必要です。また、ペット保険の多くは通院・入院・手術を対象としていますが、多くの費用がかかる入院・手術のみを対象として保険料を安くしているペット保険もあります。しかし、通院が多く必要となった場合にその負担に耐えられるのか、高齢になった後では手術に耐えられるかということも気にかけましょう。
まとめ
犬は犬種によってかかりやすい病気が異なります。チワワの場合は膝蓋骨脱臼や気管虚脱、僧帽弁閉鎖不全症などにかかりやすいです。犬には公的医療保険がないので治療費は全額飼い主の負担となってしまいます。何度も通院が必要になったり、入院・手術が必要になったりした場合には数万円、数十万円といった額がかかることもあります。こうした負担に耐えられそうにないのであれば、ペット保険に加入して自己負担額を抑えることを検討しましょう。