ペット保険を選ぶときに大切なものの一つに補償割合があります。人間が入る医療保険ではあまり見かけない項目ですがどのようなものなのでしょうか?ペット保険の補償割合とはどのようなものなのか、どのように計算するのかなどについて紹介します。
補償割合とは
補償割合とは、保険の対象となる治療費のうちの何%が保険金として支払われるかを示すものです。補償割合がどれくらいかは保険会社や商品によりますが、50%と70%のどちらかを選ぶことが多いです。例えば補償割合70%の場合、保険対象の治療費のうちの70%が保険金として支払われ、残りの30%は自己負担となります。ペットには公的医療保険がなく治療費は全額飼い主負担となるので、70%補償されるプランで人間の3割負担と同じような状況となります。
なお、のちに説明する限度額や免責金額などにより、支払われる保険金が70%や50%に満たない場合もあります。また、保険会社によっては限度額内であれば100%補償されるプランなど70%よりも大きな補償割合を選択できる場合もあります。
補償割合の計算例
補償割合についてどのように計算するのかその例を紹介します。例えば治療費として1万円かかった場合、補償割合と支払われる保険金、保険料の関係は次のようになっています。
治療費 | 補償割合 | 保険金 | 自己負担 | 保険料 |
---|---|---|---|---|
1万円 | 50% | 5,000円 | 5,000円 | 安い |
70% | 7,000円 | 3,000円 | ↑↓ | |
100% | 10,000円 | 0円 | 高い |
補償割合が高いほど受け取れる保険金は大きくなりますが、保険料も高くなってしまう点には注意が必要です。
限度額や免責金額に注意
注意が必要なのは、ペット保険には通院や入院1日あたりに支払われる保険金や手術1回あたりに支払われる保険金、年間の合計の保険金に限度額が設定されていることが多いということです。限度額が小さいペット保険だと補償割合が高くても自己負担額が大きくなってしまうこともあります。
治療費 | 補償割合 | 限度額 | 保険金 | 自己負担 |
---|---|---|---|---|
入院:3万円×10日 手術:50万円×1回 | 50% | 50万円/年 (1日・1回あたりの制限なし) | 合計:40万円 入院:1.5万円×10日 手術:25万円 | 40万円 |
70% | 入院:2万円/日 手術:10万円/回 | 合計:30万円 入院:2万円×10日 手術:10万円 | 50万円 | |
100% | 入院:1.2万円/日 手術:9万円/回 | 合計:21万円 入院:1.2万円×10日 手術:9万円 | 59万円 |
補償割合が大きくなるほど自己負担額が大きくなるように作った例ですが、補償割合が大きければ常に大きな保険金が支払われるわけではない、ペット保険を選ぶ際には限度額の確認も必要だということは覚えておきましょう。
また、ペット保険には免責金額の設定がある場合もあります。免責金額の設定がある場合はその金額の分は自己負担しなければなりません。例えば免責金額が5,000円の場合、治療費が5,000円以下の場合は保険金が支払われません。また、例えば治療費が15,000円などと5,000円を超えていた場合も、(15,000円-5,000円)×補償割合のように計算されます(保険会社によって計算方法が異なる場合があります)。免責金額があるプランは保険料が安いという特徴がありますが、「思っていたよりも保険金を受け取れなかった…」ということがないように補償内容はよく確認する必要があります。
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補償割合は50%、70%のどっちがいい?
多くの会社で補償割合は50%と70%のどちらかとなっています。このどちらがよいかは懐の余裕や考え方などによります。同じ商品で比べた場合、補償割合が高いほど保険料は高くなります。ペット保険は掛け捨ての保険なので保険料は可能な限り抑えながら同時に自分でペット用の貯蓄をしていきたいというような場合では50%、一度に高額な医療費がかかってしまうのは心配なので補償は厚くしておきたい、安心感をもって動物病院にかかりたいという場合には70%など、実際の保険料と自分の考え方を照らし合わせて選ぶとよいでしょう。
まとめ
補償割合とは保険の対象となる治療にかかった費用についてどれだけの割合の保険金を受け取れるかを示したものです。50%と70%のどちらかを選ぶようなペット保険が多いですが、90%や100%など70%よりも大きな補償割合を用意しているペット保険もあります。なお、限度額や免責金額の設定により受け取れる金額が単純に補償割合で計算した金額よりも小さくなることがあります。ペット保険を選ぶ際には保険料や補償割合だけでなく限度額や免責金額についても確認するようにしましょう。