ペット保険の基礎知識

ペット保険はいらない?加入した方がいい人とは?

2020年6月30日

ペット保険について加入するのは損だ、などと「ペット保険はいらない」という意見をしばしば聞きます。日本のペット保険の加入率は10%程度であり、多くの人が加入していないのが現状ですが、本当にいらない保険なのでしょうか。ペット保険がいらないと言われている理由やペット保険に加入した方がよい人について説明します。

ペット保険はどんな保険?

そもそもペット保険とはどのような保険なのか紹介します。ペット保険とは、ペットが病気やケガで治療を受けた場合にかかった費用について一定の限度額内や一定の割合で補償を受けられる保険です。人間の場合は公的医療保険があるので先進医療などを除き3割負担で済みますが、ペットには公的医療保険がないので全額が飼い主の負担となってしまいます。そのため、何度も通院が必要となったり入院・手術が必要になったりした場合には数十万、百万などの思わぬ高額負担が必要となる場合があります。それをカバーできるのがペット保険です。

ペット保険がいらないと言われる理由と反論

ペットの治療費が数十万、百万などと高額になった場合の備えとしてペット保険の必要性は高いように思えるかもしれませんが、「ペット保険はいらない」という意見もよく聞きます。「ペット保険はいらない」と言っている人はどのような理由からそう言っているのでしょうか。また、その意見に対する反論も紹介します。

保険料がもったいない

ペット保険は掛け捨ての保険です。保険を使わなかった場合、お金の動きだけを見ればただ保険料を支払っただけということになります。また、生涯にかかる保険料と生涯に必要な治療費の平均を比較したうえで保険料の方が高くなるからペット保険は無駄、その分貯金した方が良いと言われることがあります。

ただし貯金が少ないうちに大病を患う可能性も

ペット保険の要・不要を考えるうえで必要な保険料と治療費の平均を比べるのはよい比較だとは言えません。そもそも保険なのだから、全体を考えた場合に、保険会社に支払う保険料よりも保険会社から受け取る保険金の方が大きいという状況が続くというのはあり得ません。その状態が続けば事業の継続ができなくなってしまいます。ペット保険の要・不要を考える場合は全体を考えるのではなく、自分の場合は大きな治療費がかかった時に耐えられるのか考えるのが良いでしょう。

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また、ペット保険の分貯金するというのも危険があります。若いうちは健康で大きな病気・ケガはしにくいですが、まったくしないというわけではありません。その場合、貯金が十分に貯まっていないのに大きな支出をすることになってしまいます。

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補償対象外の治療がある

ペット保険には補償対象外の治療があります。病気の治療ではない避妊や去勢手術、予防接種、健康診断のほか、保険の開始前にかかっていた病気や開始前に診断されていた先天性の病気、その他約款に定める病気・ケガについては補償の対象外となります。せっかく加入していても補償対象外の病気・ケガをしたら意味がない、ということでペット保険はいらないと言われることがあります。

補償対象で高額な治療費がかかる場合も忘れずに

補償対象外の治療があるのは事実ですし、その場合は支払った保険料の分だけ「損」と思ってしまうのもわかりますが、補償対象となる治療で高額な治療費がかかる場合も忘れてはいけません。この場合はペット保険に加入していてよかったと思うのではないでしょうか。どのような場合に補償対象外となるのか事前に確認することは必要ですが、高額な治療費の支払いが厳しいのであればペット保険の加入を検討するのが良いでしょう。

全額補償されるわけではない

ペット保険の一部には一定の限度額以内であれば保険対象の治療費の100%を補償するというプランもありますが、多くのペット保険では治療の70%や50%を補償するという形になっています。また、通院や入院の1日あたりの限度額や手術1回あたりの限度額の定めなどもあります。さらに免責金額の設定があるペット保険では免責金額の分は自己負担する必要があります。このようにペット保険に加入していても全額補償されるわけではないということがペット保険はいらないという意見につながっています。

治療費の補助にはなる

確かにペット保険はかかった治療費の全額を補償するものではないですが、かかった治療費の一部は保険金でカバーできます。免責金額についても自分で免責金額がないプランを選ぶこともできますし、ある場合も保険料が安く抑えられているので一概に悪いものというわけではありません。ペット保険に加入していなかった場合にかかる治療費の負担が厳しいのであれば加入を検討すべきでしょう。

継続を断られる場合がある

ペットが慢性的な疾患にかかった場合などで更新時に継続を断られたり慢性疾患が生じた部位では保険が使えないという条件がついたりする場合があります。病気になってしまったときのためにペット保険に加入してきたのに、病気になったら更新できない、使えないでは意味がないということでペット保険はいらないという意見が出ることがあります。

無条件で更新できるペット保険もある

更新時に審査があって更新を断られてしまったり不担保の条件がついてしまったりすることがあるのは事実です。しかし、更新時に審査がなくて無条件で更新できるペット保険もあります。また、慢性疾患は何度も病院にかかることになるので、病気の重さにもよりますが、更新前の1年間でペット保険の恩恵を感じるほどに治療費がかかることも考えられます。

病気やケガの予防になるわけではない

少し不思議な意見ですが、ペット保険に加入しても病気やケガにならなくなるわけではないからいらないと主張する人もいます。ペット保険が予防のためのワクチン接種などの費用が補償対象外となっているのがより拍車をかけているようです。

病院に行きやすくなり早期発見・治療につながることも

そもそもペット保険は病気やケガの予防目的で入るものではなく治療費の負担に備えるためのものです。そのため、ペット保険はいらないとする理由としては誤っています。また、ペット保険に加入していることで治療費負担が減るので少しの不調でも動物病院に連れていきやすくなり、結果的に病気の早期発見・早期治療につながることもあります。

ペット保険が必要な人

ペット保険はいらないという意見を紹介してきましたが、ペット保険の必要性が高い人もいます。どのような人にはペット保険が必要なのでしょうか。

高額な治療費負担に耐えられない人

ペットには公的医療保険がなく、治療費として数十万円、百万円といった費用がかかることもあります。また、そうした費用負担が短い期間で立て続けに発生することも考えられます。現在健康そうに見えてもいつ病気やケガをするのかはわかりません。突然高額な治療費が必要となった時に、支払うことが難しい、かなりの家計の重しとなるという場合にはペット保険の加入を検討した方がよいでしょう。

万全の治療を受けさせてあげたい人

ペットが不調な場合には躊躇せずに動物病院に連れていきたい、最善の治療をしてあげたいという場合にはペット保険の加入を検討した方がよいでしょう。これまでお伝えしてきた通り、ペットの治療費は非常に高額となることがあります。お金に余裕がなくて、少し調子が悪そうだけど一日様子見する、最善の治療を受けさせる余裕はないから次善の策やその場しのぎの対症療法で済ませるということが嫌なのであればペット保険で高額な治療費に備えておくべきでしょう。

まとめ

日本のペット保険の加入率は10%程度で、「ペット保険はいらない」という意見もしばしば聞きます。保険料がもったいないなどの理由ですが、ペットには公的医療保険がないので治療費が数十万、百万円などと非常に高額になることもあります。ペット保険は掛け捨ての保険なので「万が一」ということがなければ「損」をすることになりますが、その「万が一」は誰にでも訪れる可能性があります。そうなった場合に高額な治療費を支払うのが厳しいことが予想されるのであれば、大切なペットのためにもペット保険に加入すべきでしょう。

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