犬との暮らし

膝蓋骨脱臼(パテラ)とは?ペット保険で補償される?

2020年7月10日

特に小型犬を飼っている場合、気をつけたい病気の一つに膝蓋骨脱臼(パテラ)があります。膝蓋骨脱臼とはどのような症状が出るのか、どのように予防すればよいのか、ペット保険の補償対象になるのかといったことについて説明します。

膝蓋骨脱臼(パテラ)とは

膝蓋骨脱臼とは、膝蓋骨(いわゆる膝の皿)が正常な位置からずれたり外れたりしてしまう疾患です。英語で膝蓋骨のことをpatellaということからパテラと呼ばれることもあります。膝蓋骨脱臼はすべての犬種で発症する可能性はありますが、特にトイプードルをはじめとした小型犬で多く見られます。

膝蓋骨脱臼の症状

膝蓋骨脱臼の症状は重症度によってグレード1からグレード4の4段階に分けられます。グレード1やグレード2では手で膝蓋骨の位置を元に戻したり痛み止めを処方したりするので済みますが、グレード3になると手術が推奨され、グレード4ともなると常に脱臼していて手術での整復もできない場合があります。

グレード1

膝蓋骨は正常な位置にあります。膝をまっすぐ伸ばして膝蓋骨を指で押すと脱臼を起こしますが、離すと自然に元の位置に戻ります。普段の生活の中では無症状であることがほとんどで気が付けないことが多いです。激しい運動の後などに正常な歩行ができなかったりスキップのような歩行をしたりすることがあります。

グレード2

膝蓋骨は通常時は正常な位置にありますが、膝を曲げると脱臼してしまいます。脱臼した膝蓋骨は足をまっすぐ伸ばしたり指で押したりすることで正常な位置に戻ります。日常生活に大きな支障はありませんが、脱臼しているときには足を浮かせて歩いている様子が見られます。脱臼が元に戻れば普通に歩けますが、靭帯が伸びてしまったり骨が変形を起こしてしまったりした場合にはグレード3に移行することもあります。

グレード3

膝蓋骨は通常脱臼したままの状態となり、指で押すと一時的に正常な位置に戻りますがすぐにまた脱臼してしまいます。骨の変形が明らかになってきて、脱臼した足を挙げて歩行するなど正常に歩けない様子が顕著となります。この段階ともなると治療として手術をすすめられることが多くなります。

グレード4

膝蓋骨は常に脱臼した状態となり、指で押しても元に戻せません。骨の変形も重度となって膝の関節を伸ばすことができないので、足を曲げてうずくまるような姿勢で歩くなど正常に歩行できないことが多いです。グレード4では手術自体が難しく、手術をしても症状が残る可能性があります。また、合併症の危険も高まります。

膝蓋骨脱臼の原因

膝蓋骨脱臼の原因は先天性と後天性に分けられ、小型犬では先天性の原因によって発症することが多いです。先天性の場合、生まれつき膝の関節を覆う筋肉や骨の形などに異常があり、それが原因で脱臼してしまいます。若いうちから脱臼を繰り返すことで年齢が上がるにつれて症状が悪化することもあります。後天性の場合、高いところからの落下や交通事故などで足や膝を強く打つことが原因となり発症することがあります。また、滑りやすい床の上で生活するなど環境要因で発症することもあります。

どのように予防したらいい?

先天的な原因で発症する場合には予防することが困難ですが、後天的な要因でさらに脱臼を起こしやすくしたり重症化させてしまったりさせないようにすることが大切です。

床にカーペットを敷くなどして滑らないようにする、爪切りや足裏の毛のカットで滑らないようにする、高いところからジャンプさせないようにする、高い場所に上ってしまわないように家具の配置に気を付ける、抱っこしたときに落としてしまわないようにする、ドッグランなどで急な方向転換など膝に負担がかかる運動は避けさせる、肥満にならないようにするなど膝に負担をかけないように気をつけましょう。

また、グレードが低いうちは日常生活に支障がないことも多いので、グレードを上げないようにすることも大切です。膝に負担がかからないような環境を整えてあげるとともに、動物病院で定期的な検診を受け、もし発症してしまった場合には放置せずに獣医さんに従って治療を受けましょう。

膝蓋骨脱臼はペット保険で補償される?

膝蓋骨脱臼は補償対象となるペット保険と補償対象とはならないペット保険とがあります。補償対象とならない場合は約款の中の保険金を支払わない場合という条項の中に膝蓋骨脱臼の記載があります。細かくて難しいことが書いてあるからと避けずに一度目を通しておきましょう。のちのトラブルを避けることにもつながります。

また、すでに膝蓋骨脱臼を発症している場合でもペット保険に加入できる場合もあります。ただし、加入はできても膝蓋骨脱臼に関しての治療費は補償対象外となります。膝蓋骨脱臼に限らず膝関節の傷病は補償対象とならないと考えた方がよいでしょう。ペット保険は契約前に発症している病気やケガの治療費は補償されないので注意してください。

まとめ

小型犬は膝蓋骨脱臼になりやすく、普段から膝の負担とならないような生活を心掛けることが大切です。症状が重くなると歩行に異常が見られ、手術が推奨されるようになります。手術となると数十万円もの費用がかかってしまいます。ペット保険で備える場合には補償対象となるか確認の上で加入するようにしましょう。

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