猫との暮らし

猫の医療費はいくらかかる?高額な治療に備えるには?

2020年6月10日

猫を飼う時にはフード代やおもちゃ代をはじめ、猫砂や爪とぎ用の消耗品代等がかかってきます。その他にも予防接種代や医療費も必要になりますが、実際にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。また、医療費が高額になった場合には、どうすれば負担を軽くできるのでしょうか?

動物病院にかける平均費用

日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の飼育者意識調査(平成27年度)」によると、家庭で1か月に動物病院にかけている概算費用は、猫の場合平均6,991円となっています。年齢別にみると、0歳~6歳は平均6,779円、7歳~12歳は平均6,467円、13歳以上は平均7,991円です。13歳以上ともなると病気になりやすくなるので、動物病院にかける平均費用も上がっています。

猫の家庭で1か月に動物病院にかけている概算費用の平均額
0歳~6歳7歳~12歳13歳以上全年齢平均
6,779円6,467円7,991円6,991円

出典:日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の飼育者意識調査(平成27年度)」

また、1年間にかかる診療費のデータを見てみると猫の年齢が高くなるにつれ診療費も高くなる傾向にあります。「アニコム家庭どうぶつ白書2024」によると0~5歳までの中央値は1~2万円とあまりかかりませんが、8歳になると3万円以上になり、11歳を超えると5万円以上かかっていることがわかります。
なお、中央値とはデータを小さい順に並べたときに中央に位置する値のことです。例えば、「1、2、3、4、105」という5つの数字の場合、小さい方から3番目の3が中央値です。なお、この5つの数字の平均値は23です。105という極端な数値に引っ張られて直感的な「真ん中」からずれてしまいます。

猫の年齢別の年間診療費
年齢中央値
0歳13,393円
1歳15,620円
2歳15,890円
3歳16,823円
4歳19,591円
5歳20,867円
6歳22,947円
7歳27,952円
8歳30,438円
9歳35,398円
10歳43,430円
11歳51,139円
12歳66,033円
13歳82,182円
14歳93,128円
15歳102,518円

出典:アニコム「家庭どうぶつ白書2024」

猫の治療費はなぜ高額になる?

猫が病気やケガになってしまうと医療費がかかりますが、なぜ高額になってしまうのでしょうか?主な理由を3つ紹介します。

全額自己負担になるから

猫の治療には人間のような公的医療保険がありません。人間は健康保険証を提示すれば自己負担3割で治療を受けることができますが、猫の場合は治療にかかった費用全額が飼い主の負担となります。

また、猫は人間のように言葉で具合の悪いところを伝えられません。病気を診断するために尿検査や血液検査、場合によってはレントゲンやエコーをする必要があります。一つ一つはそれほど高額ではありませんが、検査項目が増えるとその分費用がかかってしまいます。 

動物病院によって医療費が異なるから

動物病院は自由診療のため、治療内容に対して病院が自由に料金を設定できるようになっています。そのため、同じ治療を受けてもA病院よりもB病院の方が医療費が高くなることがあるのです。最新の設備や高度な治療を受けさせたい場合はその分の費用が上乗せされ治療費が高額になることもあるでしょう。 

平均寿命が延びているから

医療の進歩やワクチンの普及、栄養状態の向上により、平均寿命が延びてきています。「アニコム家庭どうぶつ白書2024」によると、猫の平均寿命は2009年では13.7歳でしたが、2022年には14.5歳となっています。この13年で約1歳寿命が延びていることが分かります。たった1年と感じるかもしれませんが、成猫の1年は人間の4年分とも考えられています。猫の14歳は人間に換算するとおよそ72歳です。

寿命が延びたのは喜ばしいことですが、年齢を重ねるとけがや病気にかかりやすくなるというリスクもあります。もし大きな病気や手術が必要になると治療費の負担も増してくるでしょう。

医療費の目安は?

動物病院でかかる各種費用について、日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(令和3年度)」より中央値を紹介します。特に猫と指定していない場合は犬などほかの動物も含んだ数字となります。

項目中央値
入院料(猫)2,500円
猫混合ワクチン
(FeLVを含まないもの)
4,000円
猫混合ワクチン
(FeLVを含むもの)
6,250円
エックス線検査(単純撮影)4,000円
腹部エコー4,000円
歯石除去11,250円
全身麻酔11,250円
猫去勢12,500円
猫避妊(卵巣子宮切除)22,500円
腹膜透析8,750円
血液透析17,500円
胃切開45,000円
腸切開45,000円

出典:日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(令和3年度)」

猫がかかりやすい病気は?

愛猫が健康で過ごすに越したことはありませんが、猫がかかりやすい病気やけがを知っておいて、いざという時の治療費の準備をしておくことも大切です。

異物誤飲

子猫の時期や好奇心旺盛な猫は食べ物ではないものを飲み込んでしまうことがあります。特にひも状のものや鋭利なもの、中毒を起こす食べ物などを口にしてしまうと命にかかわる可能性もあります。自然に排泄されるまで待つこともありますが、腸閉塞を引き起こした場合は手術が必要になることも。腸閉塞で手術になると手術代だけでなく、レントゲン検査や血液検査、麻酔代等がかかります。手術後も入院や点滴をおこなうことがあるため、20万円程度の費用が必要になります。

歯周病

歯周病は猫にとって身近な病気の一つで、3歳以上の猫の8割が歯周病に罹患しているといわれています。歯石や歯垢(プラーク)などが原因で口腔内に細菌が繁殖し、歯肉に炎症が起きます。歯石が溜まると口臭が強くなり、さらに進行すると歯が抜けることもあります。
歯磨きだけで取り除けない歯石は全身麻酔をかけて歯石除去となり、一般的に3万円程度の費用がかかります。重度の場合は抜歯や歯肉縫合などが必要になるため費用も高額になり、10万円以上になるケースもあります。

腎不全

腎不全(慢性腎臓病)は高齢の猫がかかりやすい病気です。腎臓の機能が低下し、多飲多尿や食欲不振、嘔吐などの症状があらわれます。一度悪くなった腎臓を元に戻すことはできないため、進行を緩やかにさせる治療をおこないます。食事療法や薬物療法、点滴での治療が一般的ですが、設備の整った病院では腹膜透析や血液透析をおこなうこともあるようです。血液検査や点滴等で1回の通院にかかる費用は1~2万円程度ですが、継続的に通院する必要があるため、医療費が20~30万円と膨らむ可能性があります。

高額な医療費に備えるには?

高額になりがちな猫の医療費ですが、負担を軽くするためにできることはあるのでしょうか?

ペット保険に加入する

ペット保険は、病気やケガでの手術代や入院代などの治療費の一部が補償されます。例えば補償割合70%のペット保険に加入していれば、ペット保険の対象の治療費の70%の補償を受けられるので、人間の医療費と同じように実質3割負担で済みます。金銭的な負担が減ることで、愛猫の様子に異変を感じたらすぐに動物病院に連れていけるというメリットもあります。猫は体調不良を隠すことが多いため、飼い主が病気の早期発見、早期治療を意識してあげることが大切になります。そんな時、ペット保険の加入があれば金銭面の心配なく動物病院を受診できるでしょう。
なお、去勢・避妊手術やワクチン接種などはペット保険の補償対象外となります。どのような場合に補償対象となるのか加入前にしっかりと確認するようにしましょう。

貯金する

ペット保険は掛け捨ての保険なので「病気やケガをしなければこれまで支払った保険料がもったいない」という気持ちになるかもしれません。保険料の分を貯金しておけば、医療費として使わなかった分を飼育グッズ代やおやつ代として活用することもできます。ただし、貯金していた分を生活費で使ってしまっていた…という事にならないように注意する必要があります。
愛猫が元気に過ごしていても、いつ病気になるのかは分かりません。貯金が貯まる前に病気になってしまい、高額な治療費が必要となるケースもあり得ます。急な出費があっても問題ないのであればペット保険の代わりに貯金していくのでもよいですし、そうでなければ十分な貯金が貯まるまではペット保険があると安心できるでしょう。
また、多くのペット保険では加入できる年齢に制限があります。高齢になってからだと加入できない可能性もありますので、今後高額な治療費が必要になった時にその負担に耐えられるかどうかをよく考えておきましょう。

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まとめ

猫を飼う場合、1か月あたりにかかる医療費は平均で6,991円です。1年に換算すると約8万4千円になります。病気やケガの治療が長引いたり再発したりすると数十万円かかることもあるでしょう。猫の医療費は全額飼い主負担なので、万が一の時のためにペット保険への加入や貯金をして医療費に備えておきたいですね。

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