猫との暮らし

アメリカン・ショートヘアの特徴は?かかりやすい病気はある?

「アメショ」という呼び名でポピュラーな描種であるアメリカン・ショートヘアは、移民がイギリスからアメリカへ連れてきた猫(ブリティッシュ・ショートヘア)が異種との交配により誕生したという歴史があります。性格が穏やかで甘えん坊な一面もあるアメリカン・ショートヘアは飼いやすい猫として人気が高いです。ここでは、アメリカン・ショートヘアの特徴とアメリカン・ショートヘアが気を付けたい病気について解説します。

アメリカン・ショートヘアの特徴

【平均寿命】

アメリカン・ショートヘアの平均寿命は12~13歳程度と言われています。一般社団法人 ペットフード協会が発表する「令和3年 全国犬猫飼育実態調査」によると、2021年の調査結果で猫の平均寿命は15.66歳のため、この調査結果と比較すると短いかもしれませんが、アメリカンショートヘアは、比較的健康で病気やケガに強い描種で平均寿命より長く元気に生きている猫もたくさんいます。

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【体長/体重】

アメリカン・ショートヘアは中型の描種に分類されています。がっちりとした体形で30~40cmほどの大きさです。平均体重は、オスは4~6kg、メスは3~5kg程度です。オスの方が大きくメスはオスより小柄な事が多いです。

体長30~40cm
体重オス4~6kg
メス3~5kg
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アメリカン・ショートヘアは食欲旺盛な事が多く太りやすいため食事管理には注意してあげたい描種になります。

【性格】

アメリカン・ショートヘアの性格は穏やかで甘えん坊な猫が多く人に良く懐くため飼育しやすい猫と言われています。人の言葉も覚えるため名前を呼べば振り向いたり寄ってきたり反応します。また、自分の名前以外にも言葉を覚えたりと賢さもあります。アメリカン・ショートヘアといってもそれぞれ性格が異なりますから、個体によりますが、あまり鳴かないことも飼いやすい猫と言われている理由の1つです。初めて猫を飼育する人におすすめの描種と紹介されることが多いです。

アメリカン・ショートヘアは、活発で好奇心旺盛な猫です。運動能力が高く運動不足が続くとストレスを抱えてしまい病気の原因となってしまう事もあるためキャットタワーの設置やおもちゃなどを置いてあげるようにしましょう。活発で遊び好きな一面があるアメリカン・ショートヘアですから、飼い主が適度に遊んであげる事も運動不足の解消に大切です。飼い主との遊びは愛猫とのコミュニケーションや信頼関係を築くためにも重要な時間です。アメリカン・ショートヘアは、飼い主を家族と認識し家族の一員として信頼関係を築くことができる猫です。

  • 賢い
  • 人に良く懐く
  • 甘えん坊
  • 運動能力が高く活発
  • 好奇心旺盛
  • 環境適応能力が高い
  • 多頭飼いも可能

アメリカン・ショートヘアがかかりやすい病気

アメリカン・ショートヘアがかかりやすい病気を紹介します。ただし、ここで紹介した病気以外にはかからないということではありません。アメリカン・ショートヘアは病気やケガに強い描種と言われていますが、どのような病気でも患ってしまう事はあります。日々の体調管理に努め、体調に異常を感じたら動物病院を受診するようにしましょう。

アメリカン・ショートヘアは食欲が旺盛で肥満になりやすい猫です。特に避妊や去勢を行っている場合はホルモンバランスの変化と運動量の低下から太りやすいです。そのため、特に肥満が原因による病気にかかりやすいです。

糖尿病

猫の糖尿病は、生活習慣の乱れなどが原因で発症するⅡ型の糖尿病で膵臓で排出されるインスリンの量が不十分となり高血糖な状態が慢性的に続いてしまう病気です。7歳以上の高齢猫や去勢済みのオス猫の発症率が高いです。

糖尿病の主な症状と治療法

猫が糖尿病を発症すると、インスリン注射を開始してから膵臓機能が回復し治ることがあります。ただし、猫の糖尿病は治る事があるといっても治療は必須で自然に治る事はありません。普段の生活で異変を感じたら早めに動物病院を受診し、糖尿病と診断を受けたらインスリン注射や食事療法などの治療をスタートさせることが重要となります。ただし、治療を行えば必ず治るという事ではありません。また、治っても再発することもあります。

糖尿病と気づかず放置していると、突然、容態が悪くなり死亡に至ってしまうケースがあります。人間馴れしている猫とはいえ、猫は元来、体調が悪くても隠す習性があります。なかなか体調の変化を態度に表してくれません。いつもより食欲が増加しているのに体重が減っていたり、水飲む回数、トイレの回数が増えたなどのいつもと様子が違うといった異変に飼い主がいち早く気づいてあげることが重要になります。

糖尿病と診断されたら基本的な治療法は毎日1回~2回のインスリン注射と食事療法です。

【主な症状】

  • 多飲多尿
  • 体重減少
  • 食欲増加
  • 食欲不振
  • 元気がない
  • 脱水
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 尿の臭いがいつもと違う
  • 毛づや悪くなった
  • ジャンプができない

【治療法】

1日1回~2回のインシュリン注射と食事療法(猫は腎臓機能が回復して糖尿病が治る場合があるが、治らない場合は一生涯インスリンの投与が必要)です。

予防法

アメリカン・ショートヘアは、食欲旺盛で食べ物を欲しがります。飼い主が猫が可愛さがゆえ、欲しがるままにおやつや食事を与えている場合があります。アメリカン・ショートヘアは、賢いため甘えたり、可愛い仕草をしているとおやつがもらえる事を覚え、ねだるようになります。そのような生活習慣から肥満となり糖尿病を発症してしまうアメリカン・ショートヘアは多いです。

アメリカン・ショートヘアの適正体重は成猫でオスは4~6kg、メスは3~5kg程度です。猫のボディコンデションスコアを意識した体重管理で肥満予防に気を付ける事が大切です。猫はタンパク質を栄養源とする肉食動物です。食事管理をしっかり行い太らせないことが病気予防に重要です。

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関節疾患

猫の関節疾患も肥満が主な原因で起こる病気です。肥満で慢性的に関節に負担がかかっていると関節疾患を発症してしまうためです。

関節疾患の主な症状と治療法

関節疾患は関節の炎症により慢性的な関節の痛で動いたり、遊んだりすることを嫌がるようになります。猫はジャンプが得意で高い所に飛び乗ったり高い所から降りることができる跳躍力がありますが、関節の痛みで高い所に飛び乗ったり下りたりといった行動を控えるようになります。痛みのせいで攻撃的になる場合もあるため異変に気づいたら動物病院を受診しましょう。

【主な症状】

  • 関節の痛み
  • 動かなくなる
  • ジャンプしなくなる
  • 遊ばなくなる
  • 毛づくろいをしなくなる

【治療法】

痛み止め投与による内科的な治療を行います。肥満が原因であれば関節に負担をかけない体重にダイエットを行うことも重要です。ダイエットのため運動を取り入れる事は効果的ですが、痛みが強い場合は炎症が悪化してしまうため控えるようにしましょう。

予防法

予防法は、糖尿病と同じく、健康的な食事と運動、ボディコンデションスコアを意識した体重管理です。

肥大型心筋症(HCM)

心臓の筋肉が内側に向かって厚くなり、うまく拡張できなくなるために体に十分な血液を送ることができなくなる病気です。また、血液の流れに異常をきたすために血栓ができやすくなります。

関節疾患の主な症状と治療法

初期には画像検査をしないと気付きにくく、病状が進んで呼吸が荒くなる、後ろ足が動かなくなるなどの症状が現れてから発覚することも多いです。完治させるということはできないので、状態の改善や悪化の防止のための治療が中心となります。無症状で終わることもありますが、突然死の危険もある病気なので、定期的に健康診断をして早期発見・早期治療が大切になります。

【主な症状】

初期はほとんど目立った症状が現れません。進行とともに疲れやすくなったり、元気がなくなったりするため、飼い主が老化による体力低下だと見過ごしてしまう場合も多いです。重度に心不全が進行すると食欲不振や咳など症状が出てくるようになり、心不全となると突然死や後駆麻痺などの劇的な症状が前触れもなく起こる事があります。

【治療法】

猫の場合、手術などは難しく現在の医療による治癒方法は見つかっていません。薬物投与などによる内科的な対症療法が中心となります。

予防法

定期的な健康診断で早期発見、早期治療が大切です。

慢性腎臓病

アメリカン・ショートヘアに限らず、猫は腎臓病になりやすい動物です。慢性腎臓病とは、腎臓の機能が時間をかけて徐々に低下していく病気です。慢性腎臓病で腎臓の機能が低下するとこうした機能が衰えていき、最終的には機能しなくなります。徐々に機能が低下していくので初期のうちはほとんど症状が現れませんが、一度悪くなってしまった腎臓を元に戻すことはできません。

慢性腎臓病の主な症状と治療法

慢性腎臓病では以下のような症状が現れます。初期の段階ではほとんど症状が出ず、目に見えてわかる症状が現れたときには病状がかなり進行していることも珍しくありません。見てわかるものの中で早期に現れる多飲多尿が見られたら様子見をせずに早めに動物病院に連れていくようにしましょう。

【主な症状】

  • 水をたくさん飲むようになる
  • 尿の量や回数が増える
  • 臭いの少ない薄い尿が出る
  • 食欲が低下する
  • 体重が減少する
  • 嘔吐の回数が増える
  • 活力が落ちる
  • 毛づやが悪くなる
  • 口臭が気になるようになる
  • 歯茎が白くなる

【治療法】

一度組織が壊れた腎臓を元に戻すということはできないので、治療は症状の進行を遅らせることや嘔吐や下痢などに対する対症療法が中心となります。

予防法

猫は少ない水分で生きられるように腎臓での尿の濃縮率が高い動物で腎臓への負担がかかりやすいという性質があります。ですから、若いうちから腎臓に負担を書けないような生活を送ることが大切となります。塩分が多い食事は避け、猫に必要な栄養素がバランスよく含まれた総合栄養食を与えるようにしましょう。また、新鮮な水をいつでも飲める環境を整えてあげることも大切です。そして、壊れてしまった腎臓は元に戻せないので慢性腎臓病は早期発見が重要です。定期的な健康診断を心掛け、特にシニア期には検査の頻度を上げるなど早期発見に努めましょう。

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多発性のう胞腎(PKD)

多発性のう胞腎とは、遺伝性の腎臓病の1つで、腎臓内に「のう胞」が形成される病気です。「多発性のう胞腎」の遺伝子を持った猫は、生後1~2カ月の頃から徐々に「のう胞」と呼ばれる液体をためた袋状のものが腎臓の中に発生します。のう胞ができると腎機能が徐々に低下していき慢性腎臓病から慢性腎不全によって死亡に至ってしまう怖い病気です。描種の中でアメリカン・ショートヘアは多発性のう胞腎にかかりやすい病気の1つとなっており、注意したい病気です。

多発性のう胞腎の主な症状と治療法

腎臓内にできた「のう胞」が原因で慢性腎臓病と同様の症状を発症します。

【主な症状】

  • 水をたくさん飲むようになる
  • 尿の量や回数が増える
  • 臭いの少ない薄い尿が出る
  • 食欲が低下する
  • 体重が減少する
  • 嘔吐の回数が増える
  • 活力が落ちる
  • 毛づやが悪くなる
  • 口臭が気になるようになる
  • 歯茎が白くなる

【治療法】

猫の多発性のう胞腎は、現在の医療による治癒方法は見つかっていません。腎機能の低下がみられる猫は腎臓病の治療を行っていくことになります。腎臓の負担軽減、腎機能低下の進行を遅らせるといったような対症療法が主な治療となります。

アメリカン・ショートヘアは長期療養が必要となる病気にかかりやすい

アメリカン・ショートヘアは比較的健康で病気やケガに強い描種だと言われていますが、かかりやすい病気に糖尿病や腎臓病などがあることを紹介しました。糖尿病や腎臓病は一度患ってしまうと完治が難しい場合も多く長期通院による治療や療養が必要となり、医療費が嵩んでしまう事が考えられます。

アメリカン・ショートヘアは食欲旺盛で肥満になりやすいという特徴があります。肥満からくる病気は猫の場合であっても生活習慣病です。動物病院で原因である食べ過ぎによる食事管理などの指導も行われるでしょう。猫はなぜ急にダイエットを始めなければいけないのか、いつもと違う食事への変化、いつも与えられていた食事量が急に少なくなることなどの理由を理解する事は出来ずストレスを感じてしまいます。そのため、徐々に療養食に移していったりと生活習慣の改善は、根気よく時間をかけて行う必要があります。長期療養が必要な病気になると、その間の医療費や薬代なども覚悟しておかなければいけません。

ですから、何よりも愛猫のためにも病気にならないために、猫の健康を考えた食生活を心掛け、肥満にならないように管理することが重要です。

猫の治療費は全額飼い主負担

猫には人間のような公的医療保険はないので、治療費は全額飼い主負担となってしまいます。そのため、長期間の通院が必要になったり入院や手術が必要になったりすると、治療費として数万円、数十万円とかかってしまうこともあります。十分な収入・貯蓄があるので問題なく払えるという場合はよいのですが、そうでないのであればペット保険の加入を検討しましょう。

ペット保険に加入していれば、補償の対象となる診療についてその費用を限度額や一定割合の範囲内で補償する保険です。限度額は通院1日あたりいくら、年間いくらまで、手術1回あたりいくらまでというような形で決められていて、補償割合は50%や70%を選択肢として選べることが多いですが、中には80~100%の補償割合を選択することができるものもあります。例えば、補償割合が70%のペット保険に契約していて、治療費として10,000円かかった場合、保険金を請求することで7,000円受け取れるというような形です(免責金額の設定がある場合はこれより少なくなる場合があります)。

アメリカン・ショートヘアのかかりやすい病気をカバーできるかチェック

ペット保険は保険会社によって補償対象となる病気・ケガの範囲が異なります。保険料だけで飛びつかずに、その保険がアメリカン・ショートヘアがかかりやすい病気をカバーしているのか確認が必要です。また、ペット保険の多くは通院・入院・手術を対象としていますが、多くの費用がかかる入院・手術のみを対象として保険料を安くしているペット保険もあります。アメリカン・ショートヘアがかかりやすい病気は、長期通院による治療が必要となる病気が多いです。特に、猫種にかかわらずなりやすい慢性腎臓病は多くの通院が必要となりますので、入院・手術のみのペット保険を加入する前に通院が多く必要となった時にその費用負担に耐えられるのかよく検討しておきましょう。

まとめ

アメリカン・ショートヘアは、性格が穏やかで甘えん坊な一面もあり、飼いやすい猫として人気です。活発で運動量が多いですが、食欲旺盛で肥満による病気が多い猫としても有名です。肥満が原因による病気は、長期治療が必要となる場合が多く、病気になってしまえば猫自身にとっても体調悪化による苦痛を感じる事となりますし、食事制限や投薬などによる治療はストレスになります。可愛いから、猫が欲しがるから、食べている姿がかわいいから、太っている姿が可愛いなどといって食べ物をたくさん与え愛猫を太らせてしまうのは「優しい虐待」と言われたりもします。愛猫の健康管理に責任を持つことも飼い主の努めです。アメリカン・ショートヘアが気を付けたい病気は肥満による病気だけではありませんが、アメリカン・ショートヘアの特徴を理解し、まずは予防できることは心得ておくようにしましょう。

また、病気になってしまえば、動物病院への受診が必要となります。入院・手術が必要になったりした場合には数万円、数十万円といった額がかかることもあります。こうした負担に耐えられそうにないのであれば、ペット保険に加入して自己負担額を抑えることも検討しておきましょう。

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