猫との暮らし

猫の肥満に注意!肥満が健康に及ぼす影響とは?

肥満は、さまざまな病気を引き起こす原因となります。飼い猫は、自分で食べ物を確保する必要がなく、飼い主から過剰なくらいに供給される餌によって肥満となっている猫も多いです。人は生活習慣の乱れによる肥満が気になると健康を害する前に自覚して制限したりしますが、猫は自分が肥満であるということを自覚したりしません。病気予防のために与えられた食事を自分で制限することはないため飼い主が愛猫の体重コントロールをしてあげる必要があります。ぽっちゃり猫はかわいく見えますが、健康のために気を付けること、肥満によって引き起こす病気について知っておきましょう。

猫の肥満の原因

猫が肥満になってしまう原因は、内分泌系の病気が原因で太ってきたり、内臓の肥大など病気が原因で太って見えているような場合もありますが、多くはシンプルに消費カロリーよりも摂取カロリーが多いことが原因です。消費カロリーよりも摂取カロリーが多いために太ってしまうケースを「原発性肥満」と言います。肥満になる主な原因について紹介します。

食べ過ぎ

肥満の主な原因は、消費カロリーより摂取カロリーが多いことです。過剰な餌やおやつの摂取で太ってしまうため、飼い主が餌やおやつを与える量をコントロールする必要があります。野生で生きていたころの習性からたくさんの食事量を与えても一度に食べきらずに必要だと感じた分だけを食べ、残した分をお腹がすいたときのためにとっておくという猫もいますが、実際に愛猫が食べた量が分からない食事の与え方をしていると危険です。

置き餌スタイルでフードを好きな時に自由に食べられる環境にしている猫は、「気が付いたら肥満のデブ猫になってしまっていた」ということもあります。食べすぎの他にも肥満リスクの高い飼い主の食べ物の与え方があります。愛猫の食事は肥満にならないような与え方を工夫してあげましょう。体重が重くなれば動くことも億劫になり運動をしなくなるため太る一方となります。

【食べ過ぎの原因】

  • キャットフードの与えすぎ
  • 置き餌スタイル
  • 高カロリーな食事
  • おやつの与えすぎ

上記は猫の飼育スタイルとして肥満になる可能性が高いため心当たりのある飼い主は餌の与え方を見直しましょう。

運動不足

消費カロリーよりも摂取カロリーが多いことで太っていくので、愛猫がたくさん食べていても消費カロリーが多ければ太りません。しかし、運動不足になると消費カロリーが少なくなり食事量が変わらなくても肥満になってしまいます。一日中ケージの中にいるなど運動が制限される環境で飼育されている猫は活動量が少ないため肥満のリスクが高くなります。

運動不足やストレス解消のためにも猫の狩猟本能を満たす遊び時間を設けてあげましょう。飼い主とのおもちゃを使った遊びは、運動不足の解消・猫の体力づくりに有効です。猫の遊び道具(おもちゃ)はペットショップなどでたくさん販売されていますので活用しましょう。また、猫は上下運動が得意で高いところに上ること、立体運動が上手な動物です。キャットタワーやキャットウォークなどの設置がある快適な室内環境を作ってあげることも肥満の予防になります。

不妊手術(去勢・避妊)

避妊や去勢手術を受けた猫は活動量が減るため消費エネルギーが減ります。そのため、避妊・去勢を受けた猫は太りやすいです。また、避妊・去勢手術後の猫は、ホルモンバランスの変化から食欲が増す猫もいます。過剰に食べ物を欲しがったり、食べ物をねだられると与えたくなりますが、肥満予防のためには適切な量に注意してついつい過度におやつを与えてしまわないよう気を付ける必要があります。避妊・去勢後の食事は専用のキャットフードなども多く販売されていますので適切なキャットフードを選んでカロリーを計算し与えるとようにしましょう。

年齢(老化)

7歳を超えたあたりから猫も中高齢期を迎えます。活動レベルがこれまでより下がり太りやすくなります。猫も動かずにいると、体力や筋力が低下し代謝が悪くなります。

年齢による体力の衰えをゆるやかにするためにも高齢猫にあった食事と適度な運動で肥満や老化の対策をしてあげる必要があります。

病気やケガ

肥満が原因で病気を引き起こすことが多いですが、病気が原因で体重が増えてきている場合もあることを知っておきましょう。また、ケガの治療で安静な状態が必要なために運動不足になり太ってしまうようなこともあります。ケガの治療中の食事については獣医師と相談して肥満にならないように調整してあげましょう。

「急にお腹が膨らんだ」など緊急性の高い病気もあります。水を飲む量が急に増えたり、尿の色の変化などが見られたら早めに動物病院を受診し検査してもらいましょう。また、薬の副作用が原因で体重が増加している場合もあります。病気の治療のために薬の服用を行っている場合は獣医師に副作用についても確認するようにしましょう。

【病気が原因の肥満(例)】

  • 腹水貯留
    お腹に水が溜まっている状態を「腹水」と言います。猫の腹水の症状で多い病気に猫伝染性腹膜炎(FIP)があります。
  • 甲状腺機能低下症
    甲状腺は喉のやや下あたりの左右にあり、甲状腺から分泌している甲状腺ホルモン分泌低下により体にさまざまな異常を及ぼす病気です。
  • クッシング症候群
    副腎(腎臓の側にあるホルモンを分泌する臓器)から分泌されるコルチゾールの作用が過剰になる事でさまざまな身体的負担を発症する病気です。
  • 腫瘍
    お腹の中に大きな腫瘍ができると、お腹が膨らんで太ったように見えます。
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猫は適正体重の15~20%を上回ると肥満と言われています。猫のボディコンディションスコアを参考に愛猫が太りすぎていないか食事量の調整に役立てましょう。

【猫のボディコンディションスコア】

12345
やせすぎやせ気味理想体重太り気味太りすぎ
体脂肪(%)≦56~1415~2425~3435≦
肋骨脂肪で覆われておらず、目で見て肋骨と分かる薄い脂肪で覆われている程度で触れなくても肋骨が分かる肋骨は触れると分かるが見た目には分からない肋骨に触れることが難しい肋骨、背骨が厚い脂肪で覆われている
腰が深くくびれている腰のくびれが最少肋骨の後ろにくびれが分かり腹部に吊り上がりがある腹部の吊り上がりがやや丸くなっている腰のくびれは見られない
体型脂肪がなく骨の突起も見た目で分かる脂肪がほぼなく痩せていると感じる脇部にひだがあり、全体的に薄い脂肪で覆われている脂肪が厚く脇部のひだが垂れ下がっている厚い脂肪で覆われており、脇部のひだが目立つ

肥満が引き起こす病気

肥満によって引き起こす可能性が高い猫の主な病気を紹介します。

糖尿病

糖尿病は、膵臓から出るインスリンで血糖を一定の範囲に収める働きが十分にできなくなり、血液中を流れるブドウ糖が増えてしまう病気です。遺伝的な要因で糖尿病にかかりやすい体質であった猫が肥満や運動不足などを理由に発症してしまう事が多いようです。7歳以上の高齢の猫が発症する場合が多く、去勢済みのオスの方が発症率が高いとされています。

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尿路疾患

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関節炎

関節は骨と骨のつなぎ目の部分で、関節の周りは靭帯や軟骨で構成された関節包があるため、直接骨と骨が接触する事はありません。しかし、関節やその周りにある組織が変形すると次第に骨と骨が接触するようになってしまいます。関節炎で急激な痛みを伴う瞬間があったり、慢性的な鈍痛があるといったような関節に違和感を覚える疼痛の症状があると猫はジャンプができなくなったり痛みであまり動かなくなったりします。

猫の関節炎はどのような猫でもかかってしまう恐れがあり、加齢や肥満、外傷などが原因で起こると考えられています。

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脂肪肝(肝リピドーシス)

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猫のダイエット方法

太り気味の猫は病気を発症してしまう前に健康的な適正体重の体系になるようにダイエットを行うことも考えてあげましょう。まず、第一に食べ過ぎによる肥満(原発性肥満)の場合は、与えている食事を見直すことが重要です。

1.与えている食事を見直す

与えているフードが年齢、性別、猫種、不妊手術の有無、体型、成長段階にあっているか確認します。与えている量が多い場合は空腹によるストレスとならないように少しずつ量を減らしていきましょう。時間をかけてダイエット容量に近づけていきます。高カロリーな食餌を与えていた場合は、カロリーの低いものに変えましょう。

置き餌で与えていた人は置き餌をやめ、与えた量を記録するなどするとよいでしょう。おやつはできるだけ控えたいですが、おやつに慣れてしまっているのであれば、少しずつ与える回数と量を減らし与えるおやつもカロリーの低いものに変更していきましょう。

ダイエットアドバイス

ダイエット食事に変更するときには、急な食事量の減少は禁物です!市販で販売されている猫用のスープは低カロリーで食事のかさ増しとなります。食事量を減らすときにはカロリーの低い猫用スープをかさ増し用として与えるとよいでしょう。

2.適度な運動

肥満の原因は何といっても食事の過剰摂取と運動不足です。適切な食事量と適度な運動で太ることはありませんが、食事の過剰摂取で太ってしまった猫は動くことが億劫となっており運動不足である場合もあります。過度な運動は必要ありませんが、猫の狩猟本能を呼び起こすような適度な遊びとキャットタワーなどを利用した上下運動・立体運動で筋力を付け、代謝アップを目指しましょう。

キャットタワーやキャットフォーク、一人遊び用のおもちゃや飼い主とおもちゃで遊ぶ時間を設けるなど運動することが自然と習慣になればダイエットも成功の近道となるでしょう。

3.定期的な体重測定

減らした分の食事でどれだけの期間でどれだけの体重が減ったのか定期的な体重測定を行いましょう。定期的な体重測定はダイエットの効果を確認することにも有効ですし、肥満を未然に防ぐことにも効果的です。

病気になる前に治療費に備えておくことも検討しておこう!

肥満はさまざまな病気を引き起こす原因となるため、猫の健康維持のためには適正体重を維持することが大切です。肥満が原因で病気になってしまえば病気の治療も猫にストレスを与えますが同時にダイエットも必要になってきます。猫はどうして治療を受けなければいけないのか、食事量が減ったのか、ダイエットをしなければいけないのか、自分が病気であることや太っているということを理解することはできません。ですから、適切な体重維持のために飼い主が食事のコントロールを行ってあげることが重要なのです。

それでも、肥満が原因で病気になってしまい動物病院での治療が必要になってしまう猫もいます。また、肥満ではなくても猫も生き物ですから病気やケガをして動物病院での治療が必要になってしまうことがあります。そのような時に愛猫が動物病院で診察を受ける治療費については全額飼い主の自己負担となることを知っておかなければいけません。ペットには人のような健康保険制度はありません。手術や長期入院が必要となり高額な医療費がかかってしまう場合もあります。そこで、そのようなペットの医療費に備えるためにはペット保険に加入しておくという方法があります。

ペット保険は、ペットが病気やケガで治療を受けた場合にかかった費用を限度額や一定割合の範囲で補償する保険です。一定の限度額以内であれば保険対象の治療費の100%を補償するというプランもありますが、多くのペット保険では治療の70%や50%を補償するという形になっています。さらに、ペット保険は基本補償である「通院補償」「入院補償」「手術補償」の組み合わせで選択し加入します。肥満による糖尿病などでは、通院による医療費がかさむ心配があります。そういう時には、通院も補償してくれるプランに加入していれば通院で必要になる治療費や薬代も補償を受けることがで切るので安心です。愛猫のもしもの時の備えにはペット保険で医療費に備えておくという方法もあるということを知っておきましょう。

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