猫との暮らし

猫は1日に何回オシッコする?トイレの回数と病気について

猫が最もかかりやすい病気に腎臓病があります。猫は砂漠地帯で生活をしていた動物のため水をあまり飲まない動物で腎臓に負担がかかりやすく腎臓病になりやすいです。腎臓は血液中の水分やミネラルのバランスを保つ役割を行っており、血液から不要な老廃物等をオシッコとして排出している臓器です。したがって、愛猫の健康チェックにはオシッコのチェックが欠かせません。では、猫のオシッコの回数は1日に何回くらいを目安と考えておけばよいのでしょうか。

猫のトイレ回数は2~4回

健康的な猫の1日のトイレ回数は、平均2~3回が目安
排尿:1~3回/日
排便:1回/1日

愛猫の体質や食生活、生活環境によってオシッコの回数にも個体差があります。愛猫が健康な状態の時のオシッコの回数や色、量などを普段から確認し把握しておくようにしましょう。

元気で食欲があるにも関わらずトイレの回数が平均回数と異なる場合には、将来、腎臓病を患ってしまうリスクが高いかもしれません。動物病院に相談したり、与えている餌を見直すなどを考えてみましょう。

猫の排尿チェック

健康的な猫が1日にするトイレの回数は、平均で2~3回ですが、どのようなオシッコをしているかの健康チェックには色や量、臭いも把握しておくとよいです。オシッコの状態も愛猫の体質や食生活などによって異なりますが、健康で食欲旺盛な状態のときにどのようなオシッコをしているのか把握しておくことは猫の体調の変化に気付くために大切なことです。

健康的な猫のオシッコの色はうすい黄色をしています。1回でするオシッコの量は、猫の体重1㎏あたり50ml以下程度が目安です。回数だけでなく1回でするオシッコの量にも注目しておきましょう。臭いについてですが、猫の尿には猫の尿だけに含まれる「フェリニン」というアミノ酸の一種である物質が空気に触れることによってチオールという独特の悪臭を放つ物質に変化するため人や犬よりも臭い刺激臭があります。猫のオシッコの臭いで悩んでいる飼い主も多いようでオシッコの臭い消し用品なども多く販売されています。猫は普段のオシッコの臭いがキツイことが特徴でもある動物ですが、その臭いに変化があれば病気の可能性を心配しましょう。「膀胱炎」や「糖尿病」「腎臓病」といった病気も尿の臭いの変化で分かる場合があります。

猫のトイレチェック(まとめ)

  • 【回数】2~3回/1日
  • 【色】うすい黄色
  • 【量】50ml以下/1回
  • 【臭い】人や犬よりも臭い刺激臭

猫のオシッコの変化で分かる病気

猫は体調の変化や病気を患っていても悟られないように隠す習性のある動物です。痛みや不調を抱えていることを猫の行動から飼い主は判断しづらいことが多いため気が付いたときには重症化しているといったことも少なくありません。

猫の頻尿で心配な病気

ストレス

愛猫のトイレの回数が少なくなって心配だというときは環境の変化がなかったか考えてみましょう。猫は本能的に警戒心が強いために憶病な性格でいつもと異なる環境になると慣れるまでトイレをしなくなる猫もいます。引越しで新しい住居への移動やトイレの場所の変更、砂を変えた、餌を変えたなどの場合、これまでと異なる環境の変化によるストレスにより頻尿になっている可能性があります。

生活環境の変化によるストレスは、数日経過し新しい環境に慣れれば頻尿も治まりますが、頻尿が続くようであれば元の状態に戻すなどの対処を考える必要があります。引越しで新しい住所に移動した場合などは元の生活環境に戻すのが難しいですが、トイレの場所が変わった、砂が変わったなどの場合は猫が過ごしやすいように元の状態に戻してあげることも検討しましょう。

ストレスは大きな病気の原因になってしまうこともあります。愛猫が快適にすごせる環境を作ってあげましょう。

尿石症・尿道閉塞

尿石症は、細菌感染が原因で起こる場合や栄養バランスの偏り、肥満や運動不足などにより水をあまり飲まずに排尿する回数が少ないことで起こります。頻繁にトイレに行くのにオシッコが出ていない、排尿時に痛がっている、尿が濁っている、血尿が出ているといった症状があります。

尿石症は、尿路(腎臓・尿管・膀胱・尿道)に結石ができる病気です。特にオスの猫は、尿道が細いために尿結石などが尿道が詰まり、おしっこが出にくくなると尿道閉塞という症状に至ってしまうことがあります。放っておくと急性腎不全や膀胱破裂など命に係わる病気に発展することもあります。

尿石症を予防するためにも愛猫に水を飲ませる工夫をしましょう。

膀胱炎

膀胱炎は膀胱の粘膜に炎症が起きる病気で細菌感染などが原因で起こります。尿石症から膀胱炎になってしまうこともあります。膀胱炎を患うと愛猫がトイレに行く回数は増えるようですが、量はあまりで出ていません。膀胱炎はオシッコの量はあまり出ませんが、トイレの回数が増える頻尿の状態となります。臭いに特徴のある猫のオシッコですが、細菌性の膀胱炎になると尿中のウレアーゼ産生菌が増えるため、アンモニアが大量に発生することによりいつもよりツンとした臭いアンモニア臭のするオシッコを出すようになります。

膀胱炎に早く気付くことは尿検査を頻繁に行うことをお勧めしますが、健康時の愛猫のトイレの回数や1回の量、臭いを把握しておくことでいち早く変化に気付くことができます。様子がおかしいと感じたら早めに動物病院を受診するようにしましょう。

猫の多尿で心配な病気

腎臓病

猫が水をたくさん飲むようになり、1日に何回もトイレで排尿をしていると腎臓病を患っているのかもしれません。腎臓病になると、水をたくさん飲むようになり、トイレの回数も増えるため猫の特徴のあるオシッコの臭いが無臭になっていきます。臭いの少ない薄い尿がでるようになり、オシッコだけではなく、食欲の低下や体重の減少など変化がみられるようになります。

腎臓は一度組織が壊れると元に戻すことができない臓器のため完治させることはできまません。腎臓病は、腎臓の機能が長い年月をかけて徐々に低下していく病気で高齢の猫の発症が多いです。そのため腎臓病の症状があれば進行を遅らせて少しでも余命を伸ばすという治療になります。

猫はその体質から腎臓病になりやすい動物ですが、予防のためには、食事の際に新鮮な水を近くに置いたりといった工夫や水分が多いウェットフードを加えて与えるなど普段の食事や生活習慣で予防を心掛けましょう。

糖尿病

糖尿病は、膵臓から出るインスリンで血糖を一定の範囲に収める働きが十分にできなくなり、血液中を流れるブドウ糖が増えてしまう病気です。遺伝的な要因で糖尿病にかかりやすい体質であった猫が肥満や運動不足などを理由に発症してしまう事が多いようです。7歳以上の高齢の猫が発症する場合が多く、去勢済みのオスの方が発症率が高いとされています。

糖尿病を患っている猫は水をよく飲み多尿の症状となります。オシッコから甘酸っぱい臭いがすると体内でケトン体が発生し甘酸っぱい臭いのする尿となって排出されている可能性があります。

猫の糖尿病の原因は、肥満や運動不足などである場合が多いです。予防には愛猫の体重管理と肥満予防に気を付けてあげる事です。

尿崩症

尿崩症は、脳の下垂体から分泌されるバソプレシンというホルモンが少なくなる、または、機能不全を起こすことにより病的に薄い尿が作られる病気です。多尿の症状となるためトイレの回数も増えます。原因として考えられるのは脳の腫瘍や外傷が原因の場合と腎臓病などの腎臓疾患を患っていることが原因で起こる場合もあります。脳に傷害があることが原因の場合は、神経症状が現れることがあり、飲水ができない状態となると多尿の症状もあることから脱水の状態となり神経症状が重篤化してしまいます。

尿崩症の予防法は見つかっていませんが、原因として考えられている脳の腫瘍や外傷を予防する事や腎疾患のリスクを減らすことが尿崩症の予防にもつながると考えられます。

病気になる前にペット保険で医療費に備える

猫は基本的に体調が悪くても自分の弱みを見せずに隠す習性があります。室内で飼育されていることの多い現代の猫は野生の動物のような本能が薄れているところもありますが、愛猫のオシッコは健康状態を確認するバロメーターです。少しでも普段と違う異常を感じたら早めに動物病院を受診し検査してもらうようにしましょう。病気は早期発見、早期治療が重要であり、猫がなりやすい腎臓病を患ってしまっても早めの対処で進行を遅らせる事が可能となり、元気に長く暮していくことも夢ではないでしょう。

愛猫に異変が見つかり動物病院で診察を受けたり治療を受けたりした医療費は飼い主の自己負担となります。病気は早期発見、早期治療が重要ですが、医療費が気がかりとなり動物病院に連れていくことが遅くなると治療が困難となり後悔することになってしまうこともあるかもしれません。そのようなことがないようにペットの医療費にペット保険で備えておくという方法があります。

ペット保険とは

ペット保険は、ペットが病気やケガで治療を受けた場合にかかった費用を限度額や一定割合の範囲で補償する保険です。一定の限度額以内であれば保険対象の治療費の100%を補償するというプランもありますが、多くのペット保険では治療の70%や50%を補償するという形になっています。さらに、ペット保険は基本補償である「通院補償」「入院補償」「手術補償」の組み合わせで選択し加入します。

猫がかかりやすい腎臓病は通院による長期治療が必要になってしまうことが予想されます。通院費や薬代など毎回の医療費は積み重なれば家計への負担も大きくなります。そのような心配を軽減するためには、通院も補償してくれるプランに加入していれば通院で必要になる治療費や薬代も補償を受けることがで切るので安心です。愛猫のもしもの時の備えにはペット保険で医療費に備えておくという方法もあるということを知っておきましょう。

まとめ

愛猫の健康状態を把握するには、毎日排泄するオシッコを確認する事が重要です。健康的な猫は一般的に1日に2~3回ほどトイレで排泄をします。排尿は1~3回、排便は1回です。愛猫の体質や食生活、生活環境によって回数、色、量、臭いに違いはありますが、愛猫が健康な状態のオシッコを把握しておくことが大切です。

オシッコの変化で分かる病気もいくつかあります。愛猫の異常にいち早く気付いてあげる事ができるのは飼い主です。猫はもともと体調に異変があっても悟られないように隠そうとする習性があるため病気の早期発見、早期治療には飼い主が普段と異なる点に疑問を持ち違和感があれば早めに動物病院で診察を受ける事が重要となります。

動物病院で診察を受ける時には医療費がかかりますが、ペットの医療費は飼い主の全額自己負担です。ペットの医療費は手術や長期入院が必要となった場合に高額な医療費がかかってしまうこともあります。医療費が気がかりとなり動物病院への受診が遅れてしまい治療が手遅れとなってしまうようなケースもあります。愛猫の健康維持は飼い主の努めですから、医療費が心配だという人はペット保険で備えておくことも検討しておきましょう。

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