ペットとの暮らし

ペットの防災には何をしたらいい?

2020年7月7日

自然災害にあった時にペットを守るためには日ごろからの準備が重要です。残念ながらペット保険では自然災害によって被った傷病は補償の対象外となってしまうのですが、それだからこそペットの防災について確認しておく必要があるでしょう。ペットに関する災害への備えについて、環境省の「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」や「備えよう!いつもいっしょにいたいから」をもとに紹介します。

平常時の対策

ペットの防災について普段から行っておくべきことについて紹介します。

飼育場所の安全確保

ペットを災害から守るためにも、また、ペットの安全確保のために飼い主が無事でいるためにも飼育場所の安全の確保に努めましょう。地震で家具が倒れてこないように固定する、家屋内への浸水を抑えるために土のうを用意しておく、犬を屋外で買っている場合にはブロック塀が倒れてきたり窓ガラスが割れて飛散したりしないか確認する、首輪や鎖が緩んでいないか点検するといったことが大切です。

しつけ

災害時には飼い主との同行避難が推奨されていますが、いざペットを連れて避難しようとしてもしつけが不十分だと避難が遅れてしまったり避難所でトラブルを起こしてしまったりすることが考えられます。ケージやキャリーバッグに入るのを嫌がらないように慣らしておく、不必要に吠えないようにする、他の人や動物を怖がらないようにする、決められた場所で排せつできるようにするなど、基本的なしつけはしっかりと行っておくようにしましょう。

同行避難とは

同行避難とは、災害発生時に飼い主が飼育しているペットを同行し、避難所まで安全に避難することです。アレルギーがある人や動物が苦手な人への配慮の必要があるため、避難所において必ず人とペットが同一の空間で居住できるわけではありません。避難所においてはそれぞれのルールに従う必要があります。

健康管理・ワクチン接種

避難所や動物救護施設では普段とは違う生活を送らざるを得ず、ペットの免疫力が低下することが考えられます。また、他の動物と接触することも多くなるため、ノミ・ダニや感染症、不必要な繁殖も考えられます。普段から健康維持に努め、各種ワクチン接種や寄生虫の予防・駆除、避妊・去勢手術などを実施してペットの健康を確保しましょう。

迷子対策

災害発生時にはペットとはぐれて迷子となってしまう可能性も高くなります。保護された際に無事に飼い主のもとに戻ることができるように対策を行いましょう。誰でもすぐにわかるように迷子札などをつける、より確実にマイクロチップを装着してAIPOに登録するといった対策が効果的です。

AIPOとは

AIPOとは、Animal ID Promotion Organization(動物ID普及推進会議)の略称で、マイクロチップのデータベースの登録・管理を行っている組織です。マイクロチップ自体には15桁の数字が記録されているだけなので、飼い主のデータと照合するためにデータベースへ連絡先などの登録が必要となります。

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避難用品や備蓄品の確保

首輪やリード、キャリーバッグなど避難に必要なものや避難先でペットの飼育に必要なものは飼い主が用意しておく必要があります。各地から届く支援物資は人間に対してのものが優先されるので、少なくとも5日分、できれば7日分以上の用意をしておくとよいでしょう。特に療法食を必要としている場合には長期間の分を用意しておく必要があります。しかし、避難時に持ち出せるものにも限界があります。命にかかわるものから優先して持ち出すようにしましょう。

優先順位1

  • 療法食・薬
  • フード、水(少なくとも5日分、できれば7日分以上)
  • 予備の首輪・リード(伸びないもの)
  • 食器
  • ガムテープ(ケージの補修など多用途に使える)

優先順位2

  • 飼い主の連絡先と飼い主以外の緊急連絡先・預かり先などの情報
  • ペットの写真
  • ワクチンの接種状況、既往症、健康状態、かかりつけの動物病院などの情報

優先順位3

  • ペットシーツ
  • 排せつ物の処理用具
  • トイレ用品
  • タオル、ブラシ
  • おもちゃ
  • 洗濯ネット

避難所や避難ルートの確認

事前にお住いの自治体の避難所に関する情報や避難ルートについて確認しておきましょう。避難所におけるペットの扱いは様々であり、どこの避難所であれば同行避難を行うことができるのか、そこの避難所ではペットはどのように飼育することになるのかといった情報は事前に確認しておくと災害時に素早く避難に移れます。また、同行避難が可能な避難所への安全なルートについても確認し、できれば一度ペットとともに予行演習をしてみるとよいでしょう。また、避難所以外にも親せきや友人などペットの一時預け先を探しておくことが望ましいです。

避難先での注意点

周囲への配慮

避難所には見知った人だけでなく多くの人が集まります。そのすべての人が動物好きというわけではなく、動物が嫌いな人、アレルギーがある人もいます。また、不用意に手を出してしまいかねない小さな子供もいます。様々な人が集まり、さらに災害にあって不安でストレスを抱えている状態なので、いつも以上に周囲への配慮が必要となります。

しかし、自分一人ですべて解決しようとするのは大変です。ペットの飼い主同士が協力し合い、また、ペットフードなどの支援物資の配布の情報の共有をするなど、人間もペットもできるだけ過ごしやすい環境となるように助け合いましょう。

ペットの健康管理

災害時にはストレスや物資の不足のために、免疫が低下したり衛生状態を確保することが難しかったりして、人もペットも体調を崩したり病気が発生しやすくなったりします。できるだけ衛生を確保するためにも、ペットの排せつは決められたところでさせ、速やかに処理をするようにしましょう。

また、ペットもストレスからむやみに吠える、周りの人を恐れて攻撃的になる、食欲がなくなる、排せつをしない、下痢をするというような問題が出てくることがあります。ペットの体調に気を配り、できる限り不安を取り除くように心がけましょう。

車中避難ではエコノミークラス症候群や熱中症に注意

過去の災害時には自家用車で避難生活を送っていてエコノミークラス症候群によって亡くなってしまったという事例もあります。エコノミークラス症候群は長時間じっとしていることで足の血の流れが滞って血栓ができ、それが肺などに詰まることで起こります。ペットと一緒に過ごすために自家用車などで避難生活を送る場合には、定期的に車外に出て運動したりこまめに水分を摂取したりするように心がけましょう。

また、車内では人間もペットも熱中症に注意が必要です。車内の温度は曇りの日でも思ったより高くなります。人間も注意が必要ですが、特にペットだけを車内に残すような場合には車内の温度が上がらないように気を付け、飲み水をすぐに飲めるようにたっぷりと用意しておきましょう。そして、できる限りペットだけを車内に残す時間は短くするように心がけましょう。

まとめ

災害時にはペットは飼い主の責任の下、守る必要があります。しつけやワクチン接種、避妊・去勢手術などペットを飼う上で基本的なことはしっかりと行い、また、避難生活に必要となるものの準備や避難所・避難経路の確認もしておきましょう。救援物資は人間のためのものが優先されがちなので、えさや水は少なくとも5日分、できれば7日分以上は用意しておくとよいでしょう。また、避難所では動物が好きな人ばかりが集まるのではないので、周囲への配慮は忘れずに行うようにしましょう。

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