愛犬と一緒に遠出をする際には、車に乗って出かける方も多いのではないでしょうか。実は犬も人間と一緒で車酔いになってしまうことがあります。愛犬とのドライブを楽しむためにも、車酔いの症状や対策を知っておきましょう。
車酔いの原因は?
犬が車酔いをする原因は主に3つあります。
車の揺れやスピード
犬の車酔いの原因は人間と同じで、車の揺れやスピードが耳の奥にある三半規管を刺激し、自律神経が乱れることによって起こります。三半規管では平衡感覚を脳に伝えていますが、車に乗ることにより急発進や急停車、方向転換などのいつもと違う動きが脳に伝わります。その三半規管の感覚と、目や体から伝わった情報にズレが起きると自立神経が乱れてしまい、嘔吐などの症状があらわれるのです。
車の匂い
犬の嗅覚は人間の約一億倍あるといわれています。車の中は密閉された狭い空間のため、芳香剤や匂いの強い食べ物があるとニオイがこもってしまいます。車内が犬にとっては嫌なニオイになり、車酔いを引き起こす原因になってしまうこともあるようです。
不安やストレス
車では独特のニオイがあったり、車の揺れなどの動きが起こったりすることによって、家とは違う環境になり犬にとってはストレスになってしまいます。さらに過去に車酔いをしたことがあると、車に対する苦手意識が生まれているかもしれません。そんな場合は「車は楽しい場所」という意識に変えていくように飼い主側の工夫が必要になってきます。
車酔いの症状は?
以下のような症状が出ると車酔いになっている可能性がありますので、いつもと犬の様子が違うと感じたら注意しましょう。
軽度の症状
- 落ち着きがなくなる
- 吠える
- あくびをする
- よだれが出る
- 身体が震える
車酔いの初期症状としては、頻繁にあくびをする、大量によだれが出るケースが多いようです。
重度の症状
- 嘔吐
- 下痢
- ぐったりとしている
人間と同じで重度の車酔いになると嘔吐することやぐったりすることもあります。犬にとっては辛い状態ですので、できるだけ早い段階で体調の変化に気付いてあげたいですね。もし車酔いの症状がみられた場合は、安全な場所に車を止めて外の新鮮な空気を吸いながら、具合が良くなるまで休ませてあげましょう。
車酔い対策は?
それでは、犬が車酔いにならないようにするためにはどんな対策ができるのでしょうか?犬の車酔い対策を紹介します。
乗車前の対策
空腹時、満腹時を避ける
お腹の調子は乗り物酔いに大きく関係します。車に乗る2~3時間前には食事を済ませ、空腹時や満腹時は車に乗るのを避けましょう。
散歩をしておく
車の中で寝られるように、乗る前に散歩などの運動をさせておきましょう。眠ることができれば、具合の悪さを感じることもなく過ごせるでしょう。
換気をする
車内のニオイは車酔いの原因になります。匂いの強い食べ物や芳香剤などがある場合は予め車から出し、窓を開けて車内の空気を入れ替えておきましょう。
酔い止めの薬を処方してもらう
どうしても車酔いしてしまう場合には、動物病院で酔い止めの薬を処方してもらいましょう。薬は犬の体重に合わせて用量が変わることがあるため、かかりつけの獣医へ相談し、服用方法などの指導に従ってください。
酔い止めの薬はペット保険で適用される?
一般的に、予防に関する費用(ワクチン接種など)はペット保険の適用外となります。酔い止め薬は予防医療となるためペット保険は使えないことが多いようです。
乗車中の対策
クレートやドライブボックスに入れる
犬をクレート(ペット用ケース)やドライブボックスに乗せ、リラックスできる環境を作ってあげることも大事です。クレートやドライブボックスを使う場合は必ず固定しましょう。体勢も安定しやすくなり、万が一の時の安全性も高まります。犬によっては、クレートのような暗い場所にいると酔ってしまったり、ドライブボックスのような、外の景色が見える場所で酔ってしまったりすることがあります。犬の様子をよく観察して、どちらが愛犬に向いているかを見ておくことも大事です。
また、乗り物酔い対策だけでなく、犬の抜け毛で車のシートも汚れにくくなるので、愛犬とドライブする時には用意しておきたいですね。
休憩をする
長時間ドライブをする際には、こまめに休憩を取って外へ出してあげましょう。最近では、ドッグランが併設されている道の駅やサービスエリア・パーキングエリアが増えているため、ぜひ利用してみましょう。外に出て気分転換ができると、犬もドライブが楽しいものだと思ってくれるかもしれません。そういった施設がない場合でも、車を降りて散歩をすることで犬も飼い主もリフレッシュでき、車酔い対策だけでなく安全運転にも繋がります。
安全運転をする
犬が車酔いしないように、滑らかな運転を心がけましょう。急発進や急停車が少なくなるように前の車との車間距離を確保し、カーブが続く山道などは丁寧なハンドル操作で車酔いしにくい運転を大事にしたいですね。また、犬の近くに飼い主が座ったり、声を掛けたりすることで犬を安心させてあげましょう。
車酔いしてしまったら?
いくら対策をしていても、体調によっては車酔いをしてしまうこともあります。もし車酔いしてしまったら、無理に走行は続けず、安全な場所で一旦休憩を取り外で気分転換をさせてあげましょう。嘔吐をしてしまった場合でも、犬に不安を与えないよう大きな声を出さずに対処しましょう。
車に慣れてもらう方法は?
初めて車に乗る場合や、以前車酔いになってしまった場合は、少しずつ車に慣れる練習をしてあげましょう。
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1車の中で過ごす
まずは、停車した車の中で過ごすことから始めましょう。窓は開けて換気し、クレートやドライブボックスに乗せて様子をみていきます。大量によだれが出る、落ち着きがなくなるなどの車酔いの初期症状が出ないか確認します。
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2短時間のドライブをする
車の中に慣れたら、次は5~10分程度の短時間のドライブをしてみましょう。車の走行中も車酔いのサインが出ていないかを確認します。車を停めて公園で遊んだり、水を飲んで休憩したりして「車に乗ると楽しい」という印象を付けてあげましょう。
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3ドライブの距離を延ばす
短時間のドライブに慣れてきたら、少しずつ走行距離を延ばしていきましょう。愛犬の様子を見ながら、焦らずに徐々に慣れてもらうことが大事です。車酔いにならないように丁寧な運転を心がけることも大切です。ドライブに慣れてくると、今まで行けなかった場所にある公園やドッグラン、旅行にも行けるようになりますね。
愛犬が車酔いになってしまい具合の悪そうな様子に気を取られてしまうと、飼い主の運転にも影響が出てしまいます。ドライブに慣れて長距離を運転する際も、休憩をこまめに取りながら安全運転をしていくことが大切です。
まとめ
旅行やお出かけ以外にも、かかりつけの動物病院へ行ったり、トリミングへ行ったりする時など愛犬と車に乗る機会は意外と多いもの。快適なドライブを楽しむためにも、車酔いしてしまう犬の症状や対策は事前に知っておきましょう。もし症状が改善されない場合は酔い止め薬を処方してもらう方法もあります。車酔いの予防として動物病院で薬を処方してもらう場合はペット保険適用外となる事が多く、酔い止め薬は自費で支払う必要があります。
犬と一緒に暮らしていれば予防薬のほかに医療費などのまとまった費用が急に必要になる場合も考えておかなければいけません。犬の医療費は人にあるような健康保険制度がないため全額飼い主の自己負担となってしまいます。医療費の負担を少しでも減らしたい場合はペット保険の加入を検討してみませんか?愛犬と健康で暮らしていくためにペット保険で万が一の備えを行っておくと安心です。