犬は何歳くらいからシニア犬と呼ぶのでしょうか?犬がシニアの時期に近づくとフードをシニア犬用に変えたりこれまでよりも注意深く健康状態をチェックしてあげる必要があります。では、何歳くらいからシニア犬というのでしょう。また、愛犬にはできるだけ長く元気で活発なまま過ごしてもらいものです。犬の老化を予防する方法などを紹介します。
犬は何歳から「シニア」になるの?
犬は何歳からシニア犬と呼ぶようになるかという明確な定義はありません。犬は小型犬で人間の約4倍、大型犬は約7倍のスピードで歳をとると言われており、一般的に「シニア犬」と言われるのは小型犬・中型犬で10歳くらい、大型犬で7歳くらいです。このころから老化の兆候が見え始めると言われています。老化の兆候は、見た目や行動に現れてきます。老化の兆候が見え始めたら元気なうちに高齢準備をしておくとよいでしょう。
犬もシニア期になってくると活動量や代謝が落ちてくるので、変化に合わせてシニア犬用のペットフードに変えてあげる事も検討しましょう。ペットフードも犬の成長期に合わせた種類が販売されています。フードメーカーの高齢期の年齢は、メーカーの基準によるようです。メーカーによって「高齢犬用」「シニア犬用」といったように記載してあるものや「7歳以上」「13歳以上」といったように細かい年齢で分かれているメーカーもあります。愛犬に合ったフードを選んであげるとよいでしょう。
ペット保険では、加入の条件に年齢制限が設けられていることが多いです。これは、高齢期のペットは病歴がなく健康な状態であっても、ケガや病気になるリスクが高くなり、体力や免疫力も若い時より低下しているため治療、回復が長引くと考えられるからです。細かな設定年齢は保険会社によって異なりますが7歳前後に設定されていることが多く、ペット保険ではだいたい7歳前後からがシニア犬と判断されているようです。
犬の老化のサイン
外見の変化
外見で分かる犬の老化の症状には下記のような状態があります。下記のような症状は加齢による生理的機能の低下によって現れます。老化が進むと犬の白内障や皮膚病などの疾患リスクが高まりますので注意してあげましょう。
- 黒かったヒゲが白くなる
- 被毛に白髪が増える
- 被毛のツヤがなくなってくる
- 抜け毛が増え毛量が減少、毛の生え変わりや成長が遅い
- 目が濁っている
- 目ヤニが増えた
- 皮膚の感触にハリがない、皮膚がたるんでいる
- 痩せてきた、太ってきた
行動の変化
犬も年齢を重ねて高齢期になると運動機能が低下していくと下記のような変化を感じる事が多くなります。運動機能の低下を放っておくと犬の介護が必要な状態になるスピードが速まったり病気のリスクも高まります。できるだけ体力を維持できるように工夫してあげましょう。日々の散歩の仕方や快適に暮らせる環境作りなどシニア犬にあったライフスタイルに変えていってあげるとよいでしょう。
- 体力の低下により寝ている時間が増えた
- 飼い主の遊びの誘いに乗ってこなくなった
- 散歩に行きたがらなくなった
- 歩くのが遅くなった
- 呼んでもこないなどの聴覚、視覚、味覚の低下
- 留守番ができなくなった
- トイレを失敗するようになった
- 無駄吠えをするようになった
- 食欲が落ちている
老化の予防方法
犬も老化によって足腰が弱くなったり筋力の低下、認知機能が衰えていき若い時のような活発で元気な姿を見る機会も少なくなる事があります。愛犬が少しでも長く活発で元気な姿でいられるように犬の老化予防にも気を使ってあげるとよいでしょう。老化現象を防止できれば飼い主としても愛犬の介護リスクを軽減できる可能性が高くなります。
予防方法
お散歩の工夫
犬がシニア期に近づき老化の症状が現れ始めると、大好きだったお散歩に行きたがらなくなる場合があります。しかし毎日のお散歩は筋力の低下を防止するためにも大切です。お散歩の方法を工夫してあげる事でお散歩はいつまでも楽しいものとして習慣づけてあげましょう。坂道や階段の上り下りは今までより緩やかなコースを選んであげる、散歩コースはいくつか用意してあげるなどの工夫で愛犬のペースに合わせてお散歩を楽しみましょう。
また、ケガをしないようなコースを選んであげる事も大切です。シニア犬は、若い犬よりもケガの治りが遅くなります。砂利道などの不安定な道路は避けてあげるなどの工夫もよいでしょう。
マッサージやストレッチ
高齢犬になると筋肉が固くなり関節の柔軟性が落ちていきます。出来るだけ柔らかい筋肉で柔軟性を保つことでケガをしにくい身体を保つことができます。マッサージやストレッチをすることで血流がよくなると内臓の働きを助け毛ツヤもよくなっていきます。愛犬がリラックスした状態でブラッシングも併用してあげると効果的です。
マッサージやストレッチに慣れていない犬は、いつも撫でられている背中などのマッサージから始めていくとよいでしょう。痛がる場所があるような場合は中止し動物病院を受診してケガなどの異常がないか診察してもらうようにしましょう。
ボケ防止
犬も認知機能が衰えていくことでトイレが分からなくなったり、無駄吠えが多くなったりする老化現象がみられる場合があります。人間同様に犬にも認知症は存在するようです。トイレの失敗や無駄吠えなどが増えると部屋の汚れやご近所などへの迷惑が心配になります。認知機能の衰えを防止するために愛犬の脳トレーニングも行ってあげましょう。犬の脳トレには、市販の飼育おもちゃなどを利用することができます。飼い主からのおやつやご飯の与え方際にも「おすわり」や「お手」をいつもより多く行ってみる日を設けるなど日々の生活の中で脳に刺激を与える工夫をしてあげましょう。
シニア犬との接し方
高齢になると人も動くことが億劫になったりします。体力の衰えを理解しシニア期の愛犬との暮らしを楽しみましょう。昔のような活発さが無くなっても愛犬の変化を受け入れ変わらぬ愛情を注いであげましょう。
- トイレを失敗しても怒らない
- 優しく接する
- 無理をさせない
- 健康状態を注意深く観察する
- 肥満に注意する
高齢準備も忘れずに
愛犬の老化の症状が見え始めたら高齢準備も忘れずに行っておくと急な対応に困らずにすみます。例えば、急におむつの着用が必要になった時のために元気なうちからおむつに慣れる練習をしておくと便利です。外でトイレを済ませていたような犬は部屋の中でのトイレも覚える、おむつの着用練習、薬の投薬、シリンジからの給餌練習などは元気なうちに慣れておくと介護が必要になった時に役に立ちます。また、体力の低下により部屋の中でもこれまでには考えられなかったようなケガなどをしてしまうようなことも考えられます。シニア犬に優しい部屋づくりを心がけてあげましょう。
シニア犬に優しい部屋づくり
- 部屋の段差を少なくする
- 滑りにくい床にする
- 快適な室温を保つ
- 家具の角をカバーする
- 誤飲防止のためにゴミ箱の設置を工夫する
- 事故防止のためコンセントや電気コードは隠すなど
ペット保険で高齢期の医療費に備えておこう
犬も年を重ねていくと病気やケガをしてしまうリスクは高くなります。シニア犬は、若い犬よりも病気やケガによる治療や回復が長くかかる可能性も高くなります。病気やケガで長期の通院や手術などが必要になってもペットの医療費は飼い主が自己負担しなければなりません。ペットの医療費の家計への影響も心配になります。
そのようなペットの医療費には、ペット保険で備える事ができます。ペット保険は、ペットが病気やケガをしてしまっても補償割合に応じて通院・入院・手術にかかった医療費の補償を受ける事ができるため、ペットの医療費負担を軽減することができます。ただし、ペット保険は新規加入する際に年齢制限が設けられていることが多いです。ペットが高齢になり動物病院に通う事が多くなってからペット保険に加入したいと考えても遅い場合があります。ペット保険はペットが若く健康なうちに加入しておくことで将来の病気やケガで治療費が発生してしまうリスクに備えられます。ペットを飼い始めたら元気な愛犬もいつかは高齢期を迎え動物病院の通院が必要になるかもしれないという事を考えておきましょう。犬を飼い始めたら生涯面倒をみるという覚悟と責任を持って愛犬の老後のことや病気やケガをしてしまったときの対処をどうするかということを考えておかなければいけません。