愛犬が急にご飯を食べなくなってしまったり、いつもより食欲がないと心配になってしまいます。家庭で飼われている犬も野生で生活していたころの名残で食べ物を飲み込むようにして限界になるまで勢いよく食べる習性があります。いつもはすごく食欲がある愛犬が急に食べなくなってしまうのには、いくつか理由があります。愛犬がご飯を食べなくなった理由や対処法について紹介します。いつもより食欲が低下しているなどの愛犬の変化には、早く気付いてあげましょう。
目次
犬がご飯を食べなくなる4つの理由
愛犬が毎日楽しみにしているご飯を食べなくなった、と感じたら理由を考えてみましょう。急にご飯を食べなくなるような行為は病気のサインの他にも理由があります。犬とは、人間同士のように言葉でコミュニケーションをとる事は難しいので愛犬の変化には注意してあげましょう。
1.病気
人間も体調が悪いときには食欲がなくなるように犬も病気の時には食欲が低下します。いつもおいしそうに勢いよくご飯を食べていた愛犬が急にご飯を食べなくなった時には、何らかの病気を患っている可能性が考えられます。歯周病など口内が原因であることもあれば消化器や内臓に問題がある場合など原因はさまざまです。
ご飯を食べない上に水も飲もうとせず元気が無かったり下痢や嘔吐などの症状がある場合は、早めに動物病院に受診しましょう。下痢や嘔吐をしている場合には、嘔吐物などを病院に持ってくるように指示される場合があります。不安な時は、病院に駆けつける前に症状を病院に連絡してから行くとよいかもしれません。大好きなご飯を準備しても食べようとしない、少し残すといったような変化が現れた時には、下記のような症状がないかもチェックし病気を疑いましょう。病気が疑われる場合には、自己判断をせず獣医師に相談することをお勧めします。
病気が原因と考えられる主な症状
- ご飯を食べない
- 水を飲まない
- ぐったりとして、元気がない、苦しそう
- 痛そう、動こうとしない
- 下痢や嘔吐がある
2.ストレス
愛犬がストレスで食欲不振になっている場合もあります。お留守番の時間が長く寂しいと感じていたり、しつけでいつも怒られていたりすると犬もストレスで食欲が低下することがあります。落ち着かない環境にいる時、家族以外の人と接することが苦手だったり、他の犬が苦手だったりと犬の性格によってもストレスを抱える要因は様々です。愛犬の性格をよく理解しストレスを取り除いてあげるようにしましょう。
犬のストレスの主な原因
- 環境の変化(引っ越しなど)
- 家族とのコミュニケーション不足(お留守番が長いなど)
- 疲労によるもの(旅行やドッグランではしゃぎすぎたなど)
3.成長に伴う変化
一般社団法人ペットフード協会「平成30年 全国犬猫飼育実態調査」によると犬の平均寿命は14.44歳です。犬も年齢を重ねると食欲に変化が現れる場合があります。子犬の時期は成長の変化が大きいときなので注意が必要です。また、老犬に近づくと筋力の低下や運動量の低下などにより食欲が低下することがあります。愛犬の成長に合わせてフードの量や種類などを選んであげましょう。
子犬
子犬は生後4~5カ月が食欲のピークと言われています。その後、肉体的な成長がある程度落ち着くと食べる量が減ったと感じる時があります。これは成長に伴う変化のため心配いらないケースが殆どです。また、子犬は4~6カ月くらいの時期に永久歯に生え変わります。歯の生え変わり時期は歯がかゆくなったり口内に違和感を感じてご飯を食べづらくしている場合があります。歯の生え変わりで食欲が低下している時は、固いものが食べにくいのかもしれないので、フードを柔らかくするなど工夫してあげましょう。
老犬の場合
犬は何歳からシニア期になるのかという基準ははっきりとはありません。しかし、ドッグフードの表示では、6歳からや7歳からといったような老齢犬用の表示がされているフードもあります。犬もシニア期に近づくと筋力や代謝、消化機能が衰えていき、活発な成犬期と比べると寝ている時間が長くなります。そうすると、1日に必要なカロリー摂取量も少なくなるので食欲は低下していきます。人間同様に犬も老化に伴う現象があると考え、シニア期にあったフードを選ぶなど食欲が出るように工夫してあげるとよいです。愛犬はシニア期を迎えてもいつまでも元気で長生きできるように健康に気を付けた食事を心がけえてあげましょう。
4.その他(フードがあっていない)
病気やストレス、成長に伴う現象などの理由が考えられないのに、愛犬がご飯を食べない場合は、フードを切り替えたり、おやつなどをあげすぎていないか考えてみましょう。犬も好き嫌いや食べ物の選り好みでわがままになっている場合があります。いつもあげているフードから新しいフードに警戒している場合は、新しいフードを前あげていたフードに少しずつ混ぜて新しいフードの量を増やしていくなど工夫するとよいです。販売されているドッグフードも子犬期・成長期・老齢期(シニア期)とそれぞれの成長に合わせた栄養バランスに分かれていることが多いです。飼い主が愛犬の成長に合わせてフードを変える時に警戒心が強い犬などは、いつもと違うフードになると食べなくなる場合があります。そういった愛犬には工夫して上手に切り替えを行ってあげましょう。
飼い主が愛犬を甘やかしていることでわがままになっていることもあります。いつもドッグフードの上にトッピングをしている、おやつばかりあげているなどで好き嫌いを覚えわがままになっているのかもしれません。犬はいつものドッグフードを食べなければ、トッピングをしてもらえる、好きなおやつがもらえる、と覚えていきます。おやつは食べるのにドッグフードは食べないといったような時にはわがままを覚えている場合があります。そのような時はドッグフードを食べるまで他のフードはあげない、など厳しく接することが重要です。
愛犬の健康管理は食生活から!
愛犬がうれしそうにもりもりご飯を食べている姿はとても微笑ましく、人間が食べているものをあげてしまったり、おやつをたくさんあげてしまったりと甘やかしてしまいがちです。しかし、人間と同じく犬の健康も食生活が大きな影響を及ぼします。食事は生命維持に重要な欲求なので愛犬の食事はしっかり考えてあげましょう。
ドッグフードのメリットとデメリット
ドッグフードを犬の主食として与える事のメリットには、与え方が簡単で手軽だという事と長期保存が可能だという事です。市販のドッグフードには、主にドライなタイプとウェットなタイプに分けられ、ドライなタイプの方は、量も多く常温で長期保存ができるため経済的で便利です。注意すべき点はドライタイプは長期保存が可能ですが、一度開封したドライフードは徐々に酸化していくので風味が損なわれ変化していくところです。愛犬のサイズに合った量のドライフードを購入し、開封後の保存期間があまり長くならないように気を付けていきましょう。
ウェットタイプのドッグフードは、缶詰やパウチで販売されていることが多く、外出時や非常時の持ち運びにも便利です。水分量が多く匂いも強いので犬の嗜好性もドライフードより高い傾向があります。しかし、一度開封したら保存が効かない点や重量当たりの栄養価がドライタイプより低かったり多くの量を与える必要があるので経済面で飼い主の負担が大きくなります。そのため、ドライフードのトッピングとして利用したり食欲が落ちている時などに利用するケースが多いようです。ウェットタイプを愛犬の主なご飯として与える場合は、「総合栄養食」の表示があるものを選びましょう。
総合栄養食として基準をクリアして販売されているドッグフードは、犬が生きるために必要な栄養素がバランスよく入っています。犬の好みや性格、犬を飼育する家庭環境に合わせてバランスの良い健康的なドッグフード選びを心かけてあげましょう。
手作りフードのメリットとデメリット
最近では、愛犬の健康のために手作りご飯を作っているという飼い主も増えてきました。犬の手作りご飯に関するレシピ本やWebサイトも愛犬家に人気を集めています。愛犬のご飯を手作りフードにするメリットは、愛犬の体質や健康状態に合わせて食材を飼い主が選択できるところや、手作りご飯で愛犬が食べる食材を選ぶことができるので安心して与える事が出来る点です。特に食物アレルギーがある犬にとっては飼い主の愛情がこもった手作りフードは体調管理の心強い味方です。しかし、飼い主にとって毎日手作りフードを与える事は金銭と時間に余裕がないと難しい面があります。また、犬に必要な栄養素を抑えて理想的な手作り食を用意するのは難しく栄養バランスが崩れてしまう事も心配です。そういった場合は、サプリメントなどを組み合わせてバランスの取れた食事作りを心がけてあげましょう。
犬に必要な基本的な6大栄養素
- タンパク質・・・肉や魚など
- 脂肪・・・肉や魚に含まれている脂肪分、ごま油など
- 炭水化物・・・米やトウモロコシ、イモ類など
- ビタミン・・・野菜や果物など
- ミネラル・・・ワカメやひじきなど
- 水・・・「水」が加わって犬の6大栄養素と言われている
愛犬のために食材を厳選しご飯を手作りしても、犬が食べてはいけない食材が含まれていれば健康に被害がでてしまいます。手作りフードを与える際には、犬が食べてはいけない食材にも注意しましょう。愛犬の犬種や年齢、ライフスタイルによって必要な栄養の種類や量は違います。犬が食べてはいけない食材に注意し、安心安全な手作りフードで愛犬の健康維持に努めましょう。
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もしも、愛犬が病気になってしまったら・・・
愛犬の健康に気を配ったご飯を心がけていても病気になってしまったり、人間より速いスピードで年老いていったりします。飼い主として犬を飼うときには、愛犬がケガをしてしまったり病気になってしまったりする可能性や老後のケアなどについても考えておかなければいけません。もし、愛犬が病気になってしまったら、人間のように健康保険制度がない犬は、全額飼い主の自己負担で医療費を負担する必要があります。犬がケガをしたり病気になってしまったりしたら自己資金で医療費に賄えるかという事は考えておきましょう。愛犬が癌や難しい病気だった場合は、どこまで治療をしてあげるのかという事を選択することも飼い主の責任です。動物も手術や抗がん剤治療などの高度医療も人間並みに進歩しています。愛犬が病気になった場合の対応については動物を飼育する人の責任としてしっかり考えておく必要があります。
愛犬の医療費はペット保険で備える
犬を含めたペットにかかる医療費は飼い主の全額自己負担となります。しかし、民間のペット保険加入があれば、医療費の負担を軽減することができます。愛犬がご飯を急に食べなくなり動物病院を受診した時などの通院費用や病院での治療が必要だと診断された時の入院費用、手術が必要だとなれば手術費用をペット保険で備える事が出来ます。ペット保険は、主に補償割合を50%~100%の間で飼い主がプランを選択します。補償の範囲が広ければ保険料も高くなるため、愛犬がケガや病気で治療が必要になった時、自己資金で医療費をどれだけ負担するかという事も考慮しペット保険で備えておくとよいでしょう。
ペット保険はあくまでも健康なペットが将来、ケガや病気で治療した医療費に備えるためのものです。また、ペット保険では、加入する犬の年齢制限が設けられていることが多く愛犬が高齢になるほどペット保険に加入しづらくなります。犬もシニア期を迎えると病気になるリスクが高くなります。愛犬の健康管理と同じくらいケガをしてしまった時、病気になってしまった時にはどうするかという事を考え、必要になるかもしれない医療費に備えてペット保険の加入を検討しておくとよいでしょう。更に、ペット保険加入の検討は、ペットが若く健康な内に行うようにしましょう。