犬との暮らし

愛犬の便秘には要注意!便秘に隠された病気とは?

愛犬の健康チェックを毎日の便やおしっこといった排泄の状態で確認しているという飼い主は多いと思います。犬は1日の食事の回数と同じ排便数であることが理想と言われています。犬は体調不良を言葉で飼い主に訴えることができません。犬も便秘になってしまうことがあります。便秘は軽い不調のように思えますが、犬の便秘に隠された病気や便秘の予防法について紹介します。

愛犬が便秘!?どこで判断する?

犬は何日うんちを出していないと便秘なのでしょうか?

人の便秘の定義は「3 日以上排便がない状態, または毎日排便があっても残便感がある状態」とされていますが、個人差がありはっきりとした定義は難しいように思います。犬でも子犬の場合と成犬になってからでも異なりますし、年齢や体格、運動量に食べているフードによってもその犬によって変わってきます。多くの犬は毎日同じドッグフードを主食として食べているので、飼い主は排泄パターンを把握しておくとよいでしょう。愛犬がいつもどのような排便をするのか、便の硬さや色、量などをチェックしておくと健康チェックに役立ちます。

一般的に健康な犬の便の色はチョコレートブラウンのような色で少し硬め、太丸型の形の便を2本くらいが1回の量のようです。愛犬の大きさや食べているものによっても異なるため自分の家の犬は毎日の食事でどのような便をしているのか、何回するのかチェックしておきましょう。

愛犬の排泄パターンを把握

  • 排泄の時間
  • 散歩や自宅での排泄回数
  • 排泄の場所
  • 排泄の状況

便秘の目安

丸2日ほど便が出ていないようであれば便秘の可能性を考えてみましょう。便を出そうとするしぐさがあるのに出ない場合、排便時に痛みで鳴き声を出す、おしりを気にしているような様子がある場合も何か異変があるのかもしれません。動物病院に相談をしてみましょう。

犬が便秘になる理由

犬も生き物ですから生活習慣の変化などで便秘になる場合があります。犬が便秘になってしまう原因を紹介します。

水分不足

摂取する水分量が足りず便が硬くなっているために便が出づらくなっている可能性があります。

犬の餌にドライフードを与えている家庭も多いと思います。ドライフードの水分含有量は10%前後とほとんど水分は含まれていません。犬の1日当たりの水の摂取量は体重1㎏あたり20~90mlです。4㎏の小型犬では、80~360mlほど水を飲みます。350mlのペットボトル1本程度の水を摂取します。犬の体質によって通常時に飲む水の量は個体それぞれ異なりますが、食べている餌が変わらないのに、いつもより便が硬かったり柔らかかったりするのは1日に摂取する水分量が少なかったり多かったりしている可能性が考えられます。水分不足で便秘になっていると考えられるときはドライフードをふやかして与えたり、ウェットフードにしたりと水分量の多い食事を試してみるのもよいでしょう。

水分不足は便秘以外にも体調不良を引き起こします。適度な量の新鮮な水分を毎日しっかり与えるようにしましょう。

【正常な水の摂取量目安公益社団法人_埼玉県獣医師会より)】

【犬の1日あたりの水の摂取量(目安)】
体重1kgあたり20~90ml
体重摂取水分量(目安)
3kg60~270ml
5kg100~450ml
8kg160~720ml
10kg200~900ml
13kg260~1170ml
15kg300~1350ml
20kg400~1800ml

飼い主は、愛犬が日々どのくらいの水分を摂取するのか観察しておくことで体調の異変にも早期に気づくことができるでしょう。便秘予防にも愛犬が1日に必要な水の量の参考にしておきましょう。

運動不足やストレス

運動不足で便秘になっている可能性があります。飼い主の多忙により散歩に行っていないなど、運動不足でストレスが溜まっているような場合に便秘になる場合があります。運動不足で消化管や大腸の動きが悪くなり便秘を引き起こしている可能性が考えられます。

腸の動きを活発化させるためにも適度な運動は重要です。運動は愛犬のストレス解消にもなります。運動は健康維持に欠かせないため飼い主が忙しくても散歩の時間を取ってあげましょう。雨の日が続き散歩に出かけられないような時には家庭の中でボール遊びやおもちゃなどを使って家庭の中でも体を動かす時間を設けてあげることで運動不足の解消やストレス解消になります。

加齢

犬も年齢を重ねると筋力が衰えていきます。老犬になると排便に必要な筋力に衰えがみられ便が出づらくなり便秘になってしまう犬がいます。

老犬は運動量の低下に伴い筋力が低下し食事量も低下していきます。筋力が低下し排便が困難になってしまうと健康にも大きく影響します。無理は禁物ですが、年齢を重ねても適度な運動を習慣とすることで筋力の衰えを予防し、ひいては便秘の予防にもなります。老犬の便秘対策で運動の他に重要なことは食事による腸内環境の維持も挙げられます。便通を良くする食物繊維を多く含んだ食事は便秘予防になります。年齢にあった健康的な食事で元気にシニアライフを送れるように食事や運動に配慮し便秘とは無縁の老後を送れるように気を付けてあげましょう。

薬による副作用

病気の治療で処方されている薬の副作用で便秘を引き起こしている可能性があります。病気やケガの治療で動物病院から薬の投与の指示を受けている期間に便秘になってしまっている時には早期に症状をかかりつけの動物病院の獣医師に相談しましょう。

愛犬に便秘の疑いがあるために飼い主の自己判断で人間用の便秘薬を与えてしまうのは非常に危険です。薬は正しく与えないと死に至ってしまうこともあります。犬に薬を与えるときは必ず獣医師から指示を受け処方された薬にしましょう。決して人間用の市販薬を与えないようにしましょう。

病気による便秘

何らかの病気を患っているために便秘となっている場合があります。どのような病気で便秘となってしまうのか次項で紹介します。

便秘の予防(まとめ)

  • 適度な水分補給
  • 適度な運動
  • 食物繊維の多い健康的な食事

便秘で起こる病気

巨大結腸症

水分不足や運動不足、加齢が原因と考えられる便秘でも便秘の状態が続くと腸に便が溜まり腸が伸びた状態になってしまいます。そのような状態が続くと巨大結腸症という病気になってしまうことがあります。自力での排便が困難な状態になると手術が必要なこともあるため便秘と油断せずに早めの対処が必要です。

病気が原因の便秘

便秘以外にも犬に下記のような症状がみられる場合には早めに動物病院へ受診しましょう。

受診の判断ポイント

  • 元気がない
  • 食欲がない
  • 嘔吐している
  • 便に血が混ざっている
  • 排便時に痛みで吠えたり声を出す
  • お腹が張って膨れている

病気が原因の便秘

病気の合併症で便秘となっていると考えられる犬の病気について紹介します。

消化器官の通過障害が考えられる病気

消化器官での便の通過障害が原因で起こっていると考えられる器質性便秘です。

  • 誤飲、誤食
  • 骨折
  • ヘルニア
  • ポリープ
  • 腫瘍
  • 前立腺肥大など

誤飲、誤食が原因で腸閉塞を起こしてしまっており便秘になっている場合は犬の命にかかわる危険性があるため早めに動物病院を受診しましょう。オスの犬に起こりやすい会陰ヘルニア、前立腺肥大などは肛門付近が腫れてくるため便の通過障害が起こっている場合があります。

犬の誤飲・誤食と危険な病気

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ケガや病気による痛みが原因と考えられる場合

消化器官での便の通過障害が原因ではないものの、ケガやほかの病気の痛みにより便を排泄することが困難となっている場合があります。

  • ヘルニア
  • 骨折
  • 関節疾患
  • 糖尿病
  • 甲状腺機能低下症など

ケガや病気による痛みで踏ん張ることができなくなり便秘になっている場合があります。ケガや病気の痛みが原因で便秘と考えられる場合は便が出ていないことを獣医師に相談しましょう。

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愛犬の治療費にはペット保険があると安心

犬は言葉で飼い主に不調や症状を訴えることができません。また、動物は本能的に不調や病を隠す傾向にあり、飼い犬であっても野生の名残で本能的な部分は変わりません。排泄は動物の健康状態を把握するバロメーターです。「たかが便秘」と油断することなく少しでもいつもと異なることがあれば食事に変化がなかったか、日常生活にいつもと異なることがなかったか思い返してみましょう。心配なようであれば早めにかかりつけの動物病院を受診し相談してみましょう。万が一、病気やケガが原因と考えられる便秘であっても早めの受診で病気の早期発見、早期治療が可能になります。

動物病院への受診は、当然、医療費がかかります。ペットの医療費は、通常、全額飼い主の自己負担です。しかし、ペットには人のような健康保険制度はありませんが、飼い主は民間のペット保険に加入することでペットの医療費に備えることができます。

ペット保険は、ペットが病気やケガで治療を受けた場合にかかった費用を限度額や一定割合の範囲で補償する保険です。ペット保険に加入していれば、一定の費用については保険から補償が受けられるため急なペットの体調不良でも医療費負担を軽減することができます。便秘のような一般的な軽い症状でも医療費を心配することなく動物病院を受診できるのはペットの病気の早期発見だけでなく飼い主の金銭面における精神的な負担軽減にもなるでしょう。犬を家族に迎えたら愛犬の医療費に備えてペット保険の加入を検討しましょう。

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