猫のひげは大切な役割を持っていて、猫が生活するためになくてはならないものです。抜けたひげは金運アップのお守りとして大事に保管している方もいますよね。そんなひげですが、大量に抜けた場合は病気の可能性があるかもしれません。ひげの役割とともに知っておきましょう。
ひげの役割
猫のひげは「触毛」と呼ばれており、センサーのような役割をしているため猫にとって大事な部分の一つです。ひげの根本には神経が通っており、そのおかげで狭いところや高い所も難なく通れるのです。そんなひげの役割を紹介します。
障害物との距離をはかる
猫はひげの先に触れたものを感知し、障害物との距離をはかっています。猫は自分の顔の大きさの隙間なら通れるとよく言われていますよね。顔の周りにあるひげを広げてひげの当たり具合で体が通れるかどうか確認し、狭いところでも通ることができるのです。
空気の流れを感じ取る
ひげで空気の流れを読み取って、障害物の有無や獲物の動きを捉えることもできます。猫の視力は人間の10分の1といわれていますが、暗闇でもぶつからずに歩いて獲物を仕留めることができるのはひげのおかげなのです。
さらに、猫は平衡感覚に優れていて高い所に登ったり飛び降りたりするのも得意ですよね。実は、ひげで空気の流れを感じ取ることで平衡感覚を補っているのです。
目を守る
猫のひげとまぶたは反射弓という神経でつながっています。ひげに刺激を感じると反射的にまぶたを閉じて、顔の近くにある刺激から目を守ることができます。
感情を表現する
しっぽや耳の動きで感情を表す猫ですが、実はひげでも気持ちを表現しています。ひげが横に広がっているのは警戒している時、下に垂れているのはリラックスしている時、ひげが前に向いている時は興奮している時など、ひげの動きでも分かることがあります。
切るのはNG!
猫が暮らすうえでひげは大事な役割を持っているため、切ったり抜いたりしてしまうと生活に支障が出てしまいます。猫によっては大きなストレスになることもありますので、ひげを切るのは絶対にやめましょう。
ひげが抜けても大丈夫?
猫のひげは半年に1回ほど生え変わるため、数本程度抜けたとしても普段通り過ごしていれば問題ない事がほとんどです。ただし、一度に大量に抜ける場合や新しいひげが生えてこない場合は以下の病気等の可能性があります。普段の愛猫と違って気になる様子があったら早めにかかりつけの動物病院に相談しましょう。
猫ざそう(猫ニキビ)
猫ざそうは猫ニキビとも呼ばれ、あごの下や口の周りに黒い砂粒のようなぶつぶつができます。症状が軽い場合は痛み等を感じませんが、細菌感染などをして悪化すると痛みや痒みが出て、赤く腫れたり毛が抜けたりすることがあります。
特にあごの下は皮脂腺からの分泌物が多く、毛づくろいするのが難しい場所です。そのため分泌物が溜まってしまい炎症を起こしてしまうことがあるようです。他にも食器に付いた雑菌が繁殖して食事の時にあごに付いてしまう場合や、食器の素材によるアレルギー反応でも起こる場合があります。
もし猫ニキビになってしまった場合は、ニキビの部分を濡らしたガーゼ等で拭いたり、薬用のシャンプーで洗ったりして清潔に保ってあげましょう。強くこすると悪化してしまうこともあるので、優しくケアするのが大事です。
猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)
猫免疫不全ウイルスに感染すると免疫力が低下していきます。5つのステージに分けて進行し、口内炎や下痢、皮膚炎などの症状があらわれます。ひげが抜けてしまうのも症状の一つです。さらに病気が進行すると急激な体重減少や日和見感染症を引き起こし、命を落としてしまうこともあります。猫エイズには有効な治療法がないため症状に合わせた治療をおこないながら付き合っていく形になります。
猫エイズに感染しても発症しないまま無症状で一生を終える猫もいますが、感染しないに越したことはありません。他の猫と喧嘩をして強く咬まれることで感染することが多いため、完全室内飼いにすることで感染を予防できます。
ストレス
強いストレスを感じると免疫力が低下し、ひげが抜けることもあります。猫は繊細な動物なので、引っ越し等の環境の変化や同居の猫・動物の存在等がストレスに感じることがあるのです。ひげが抜ける以外にも下痢や嘔吐、食欲低下などの症状が出て他の病気にかかりやすくなる可能性もあるため、ストレスの原因を探り環境を整えてあげましょう。
まとめ
猫のひげはセンサーのような役割をしていて、生活するうえで必要不可欠といえます。ひげを切ったり抜いたりすると平衡感覚などに影響が出てしまう可能性があるので絶対にやめましょう。
半年に一回の周期でひげが生え変わるため、ひげが数本抜けた位では多くの場合心配する必要はありません。ただ、一度に大量のひげが抜ける、新しいひげが生えない場合は病気やストレスのサインかもしれません。いつもと様子が違っていたり他にも症状が出ていたりする時には動物病院を受診することをおすすめします。
病気が原因の場合には思わぬ治療費がかかるケースもあります。愛猫の治療にかかるお金は全額飼い主の自己負担となります。ペット保険に加入していれば、愛猫に何かあった時に金銭面の負担を減らすことができるので安心です。
ペット保険とは
ペット保険は、ペットが病気やケガで治療を受けた場合にかかった費用を限度額や一定割合の範囲で補償する保険です。一定の限度額以内であれば保険対象の治療費の100%を補償するというプランもありますが、多くのペット保険では治療の70%や50%を補償するという形になっています。さらに、ペット保険は基本補償である「通院補償」「入院補償」「手術補償」の組み合わせで選択し加入します。