猫との暮らし

愛猫の体調不良を見極める!病院に連れていくべきサイン

猫は、痛みや不調を感じていても隠すのがとても上手な動物です。野生の本能で敵に体調不良を悟られるとスキを与えてしまうことになるため家庭の中で飼育されている猫であっても愛猫の不調を飼い主が見極めるのは難しいかもしれません。そんな猫が明らかに不調そうな様子であれば、既に病気が進行しているといったことが考えられます。飼い主が愛猫の異変にいち早く気付き、病気の早期発見・早期治療を行うためにはどこに注意すればよいのでしょう。

猫の体調不良のサイン

猫も生きている動物ですから食欲の低下や便秘など通常よりコンディションが悪い時もあるでしょう。猫は人と言葉を交わすことができないペットなので愛猫の様子の変化は普段の行動の変化で異常のサインをよみとる必要があります。

下記は、注意して観察したい行動の変化です。

1.普段の様子の変化
  • 薄暗い場所でうずくまっている
  • お腹を守るようにうずくまっていることが増えた
  • 香箱座りのまま動かず長時間うたたねをしている
  • 飼い主が近づいても警戒するような様子を見せる
  • 熟睡できていない
  • 常にぐったりしている

動物は自分の体に異変を感じると、回復のために目立たない薄暗い場所に隠れてじっとしていることがあります。体調不良を他の動物に悟られると危険なため身を隠す習性があり、近づくと警戒するような様子を見せるようになったりします。家庭の中で飼育されている猫で隠れるところがなくてもうずくまっていることが増えたと感じたらどこかに体調不良があるのかもしれません。

2.行動の変化
  • 食欲の低下
  • 急に運動をしなくなった(遊びたがらない)
  • 嘔吐をしている
  • 下痢をしている
  • 鼻水やくしゃみをしている
  • 体を痒がって搔きむしっている

多くの場合、体調不良になると食欲が低下します。動物の健康は食欲や排泄物の状態が健康のバロメーターになることも多いので日々のチェックが重要です。また、体に不調を抱えていると運動をしなくなります。変わらず食欲はあるか、下痢はしていないか、オシッコの回数や便秘をしていないか、元気に活動しているか、など毎日の様子を記憶しておきましょう。

3.外見の変化
  • 被毛の光沢がなくなった
  • 被毛が部分的に薄くなっている
  • 急激に太ってきた
  • 急激に痩せた
  • 大量の目ヤニが出ている

普段と変わらない食生活なのにも関わらず急に太ったり、痩せていたりする場合も何か異常を抱えているのかもしれません。被毛の状態が急に悪くなったという場合も注意しましょう。被毛や皮膚の状態の変化は日々の愛猫のケアで気づくことができるため日々のスキンシップは重要です。

4.明らかな行動異常
  • 痙攣している
  • 寝ずに歩き回っている
  • 大きな声で鳴くようになった

痙攣の症状があるような時には、てんかんや脳炎といった脳の病気が疑われます。早めに動物病院で診察を受けましょう。寝ずに歩き回っているようなことが増えたり、大きな声で鳴くようになったなどの変化がみられる場合は、猫の発情期を迎えているといったことも考えられます。

愛猫の性格はどっち?

体調不良が分かりやすい猫

飼い主に甘える事が多くスキンシップが好きで活動的な猫は、飼い主が毎日のスキンシップ時や行動の変化で体調の異変に気付きやすいです。

体調不良が分かりにくい猫

おっとりしておりあまり活発なタイプではない猫は、普段からまったり休んでいることが多く体調不良でも変化が分からず異変に気付きにくいかもしれません。また、繊細で警戒心が強く人とのコミュニケーションが少ない猫は不調のため警戒しているのか判断が難しかったりします。

自宅での様子見で回復するケースも

直接会話する事ができないペットは、日々の食欲や排泄習慣が健康のバロメーターになります。食欲や排泄に異常が見られないのであれば、2~3日様子をみましょう。

食欲がない、便秘をしているといった場合でもおやつの与えすぎや飼い主の見ていないところで盗み食いしたことにより餌の食いつきが悪かったりすることがあります。また、餌を変えたことによる便秘の症状が出てしまっているということもあります。そういった時にはすぐに動物病院に連れて行かなくても自宅で回復を待ちましょう。

家庭の中で暮らしている猫は人に慣れ家の中では活発に動き回っているかもしれませんが、猫はもともと憶病で用心深い性格の上、縄張り意識が強く変化を好まない動物です。そのため、クレートに入り動物病院に行くために外出するという行動がストレスとなり更に体調を悪化させてしまったりする場合があるため動物病院に連れていくタイミングの見極めが大切です。

病院に連れていくべき体調不良のサイン

愛猫の様子がいつもと異なり、普段よりぐったりしていたり、呼吸が辛そうであったり、触った時にお腹が膨れていたり、ケガをしていることが確認できるような場合には、早急に動物病院を受診しましょう。

また、何度も嘔吐を繰り返している場合や下痢をしている、脱水症状がみられるといった場合にもすぐに動物病院への受診をおすすめします。

緊急性の高い体調不良のサイン
  • 激しく嘔吐を繰り返している
  • 1日中ぐったりしている
  • 辛そうに呼吸している
  • 痙攣している
  • 意識がもうろうとしている
  • 傷口が深いと思われるケガをしている

猫が体調不良を起こす理由

猫は憶病な動物のため環境の変化でストレスを抱えやすいです。そのため、ストレスで元気がなかったり、姿を隠していたりすることがあります。ストレスが原因の体調不良の場合は、ストレスが解消するようにストレスの原因を解消してあげましょう。

愛猫が急に食欲がなくなったような場合、さまざまなケースが考えられますが、生き物は体調が悪くなると食欲が減退する事が多いです。そこには、何かしらの病気を抱えている場合や一時的である場合など理由はさまざまです。愛猫に食欲がない場合はその他の体調の異常が見られないか確認してみましょう。

病気

猫に最も多いと言われている病気は、慢性腎不全(腎不全)です。腎臓病は脱水症状や食欲不振の状態となり、尿毒症や貧血、高血圧といった症状があります。腎臓は一度壊れてしまうと完治させることが難しい臓器です。

また、猫はあまり水をのまない動物なので、泌尿器系の病気にかかりやすく下部尿路感染症・尿路結石・膀胱炎といった泌尿器系の病気に注意する必要があります。泌尿器系の病気になると尿意がありトイレに行く様子があるが排尿していなかったり、トイレで落ち着きがない様子が見られたり、血尿していたりします。治療に手術が必要になる場合もあるので異変に気付いたら早めに動物病院を受診しましょう。

ケガ

家庭のなかだけで飼育されている猫であれば心配ありませんが、外も行き来する猫は縄張り争いや去勢していないオス猫であれば発情期のメスの取り合いなどで猫同士がケンカしてしまうことがあります。猫は爪や歯で攻撃する事が多く、ひっかき傷や噛み傷といったケガを負ってしまう場合があります。

また、家庭の中だけで飼育されている猫であっても高いところからの落下や滑りやすいところで捻挫をしてしまうといったこともあります。人に踏まれたり、ドアに挟まったりと家庭の中でもケガをしてしまうことがあります。外傷は、見た目にもわかりますし、捻挫や骨折などのケガであれば患部が腫れたり痛そうにしていたりといった変化で異常に気づけます。ケガをして痛そうにしている様子があれば、早めに動物病院を受診するようにしましょう。

誤飲・誤食

嘔吐を繰り返していたり、下痢をしているような場合、猫が食べてはいけないものを食べてしまったというような誤飲・誤食をしてしまっている可能性があります。好奇心、食欲が旺盛な猫や子猫は食べてはいけないものや異物の誤飲・誤食事故が起こりやすいです。

飲み込んでしまったものの種類や大きさにもよりますが、誤飲・誤食は命に関わってしまう心配があります。もし、猫が食べてはいけないものを食べてしまったらすぐに動物病院に連絡して指示を仰ぎましょう。いつ、何を、どのくらいのものを誤飲・誤食してしまったのか正確に獣医師に伝え、対処を急ぐ必要があります。

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肥満

猫も適正体重を超えて肥満になると体にさまざまな悪影響を及ぼします。肥満状態でいると、健康に多くの支障をきたす恐れがあるため愛猫のBCS(ボディ・コンディション・スコア)を意識し適正体重の維持を心掛けてあげましょう。

【肥満によって引き起こされる病気やケガ】

  • 関節や筋肉への負担で起こるケガ
  • 心臓・呼吸器への負担からくる病気
  • 糖尿病

猫の病気とペット保険

猫は、自分自身にケガや病気などの体調の異変を感じていてもそれを隠そうとする動物です。そのため、病気が悪化してしまい動物病院に連れて行ったときには病気が進行してしまっているといったこともあります。また、ペットを動物病院につれていくと当然医療費がかかります。ペットの医療費は人にあるような健康保険制度がないため全額飼い主の自己負担になります。そのため、愛猫に少し異変を感じてもはっきりとした体調の悪化が見られないと動物病院への受診をためらってしまう飼い主もいるでしょう。しかし、猫は体調不良を隠す動物で病気が分かった時には悪化しているということも多いため飼い主が早期発見・早期治療を意識してあげることが大切です。そんな時、ペット保険の加入があれば費用の心配なく動物病院を受診できるでしょう。

ペット保険は、ペットが病気やケガで治療を受けた場合にかかった費用を限度額や一定割合の範囲で補償する保険です。一定の限度額以内であれば保険対象の治療費の100%を補償するというプランもありますが、多くのペット保険では治療の70%や50%を補償するという形になっています。さらに、ペット保険は基本補償である「通院補償」「入院補償」「手術補償」の組み合わせで選択し加入します。猫は腎臓病や尿路疾患といった病気になりやすい動物です。腎臓病は長期の通院による治療が必要になる病気です。骨折をしてしまえば立ち上がることや食事をすることが困難な状態になってしまうこともあります。愛猫に病気やケガの疑いがあった時に早期に医療費を心配することなく早期に動物病院で診察に向かえるようにペット保険があると心強いでしょう。

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