「ペット保険に加入したから万が一病気になっても、もう大丈夫!」という考えは少し危険かもしれません。なぜなら、ペット保険には「待機期間」というものがあるものもあり、待機期間中はペット保険の補償を受けられないからです。待機期間とはどういったものなのか、どうしてあるのか詳しく説明していきます。
ペット保険の待機期間とは
ペット保険の待機期間とは、病気をしても保険会社から保険金が支払われない、契約が開始してからの所定の期間のことです。この期間は保険会社によって異なりますが、多くの場合は契約から30日間と定められています。がんの場合は諸検査に時間がかかるのでより長く120日間などと定められていることもあります。また、ケガについては待機期間なしに補償を受けられるケースが多いです。
待機期間が過ぎてから病院に行けば大丈夫?
待機期間中に病院に行っても補償は受けられないから待機期間が終わってから病院に行こう、と考える人も出てくると思いますが、待機期間中に病気にかかった場合はその病気について待機期間終了後に病院に行ったとしても補償対象外となります。また、当然ながらペット保険に契約前にかかっていた病気についても同様に、その治療は補償の対象外となります。待機期間の設定がある場合、補償の対象となるのは待機期間終了後にかかった病気です。
どうして待機期間があるの?
ペット保険にこのような待機期間がある理由は、病気にかかっていそうだからペット保険に加入してから病院に行くというリスクの高い契約者を防ぐ意味合いのほかに、ペット保険契約前にかかった病気の潜伏期間を考慮しているからです。ペット保険で補償の対象となるのは契約後の病気やケガです。しかし、病気については潜伏期間があるので、病気にかかったのはペット保険加入前だけど症状が出て気が付いたのはペット保険の加入後ということが起こります。こうしたケースを補償の対象から外すために、ペット保険に待機期間が設けられているのです。
待機期間があるのは初年度のみ
多くのペット保険では契約期間が1年で毎年更新していく形になります。しかし、待機期間があるのは初めて契約したときのみなので安心してください。毎年補償を受けられない期間があるわけではありません。待機期間がペット保険の契約前にかかった病気の潜伏期間を考慮していることを考えると、更新前は同じペット保険に加入しているのでその時点でかかった病気は当然補償対象とすべきでしょう。そのため、更新時には待機期間なく補償を受けることができます。なお、更新せずに別の保険会社に乗り換えた場合にはそのペット保険の待機期間中は補償対象外となるので注意してください。
早く補償を受けたい場合は?
待機期間なしに早く補償を受けたいという方もいるでしょう。そういう場合は各ペット保険を比較して待機期間が少ないペット保険を探しましょう。待機期間がないペット保険もありますが、その場合も補償の開始日を申し込んだ月の翌月15日や翌々月の1日としているなどすぐに補償が開始されるわけではありません。翌々月1日の場合ではむしろ30日間で済む待機期間の方が短いことになります。
早く補償の開始日を迎えたいという気持ちはわかりますが、申し込んですぐに補償が開始されるというのはなかなか難しいです。モラルハザードや潜伏期間の問題を抜きにしても、契約の引き受けが可能かの審査などがあるのでどうしても補償開始まではある程度の時間はかかります。待機期間が気になるのであれば補償開始までの期間が短いペット保険を探すのと同時に、病気になる確率が低い若いうちからペット保険に加入しておくことも大切でしょう。
まとめ
ペット保険の中には待機期間があるものがあり、その期間に病気になっても補償の対象外となり保険金を受け取れません。ケガについては待機期間がないことも多いです。待機期間があるのは、調子が悪いことをわかっていながら病院に行く前にペット保険に加入するようなリスクの高い契約者を避ける意味や契約前にかかった病気の潜伏期間を考慮しているためです。ペット保険加入前にかかった病気はペット保険加入後に治療しても補償対象外です。高齢になるほど病気になる可能性も高まりますので、できるだけ健康な若いうちにペット保険の加入を検討しましょう。