犬との暮らし

冬に多い犬の病気と予防法

犬は比較的寒さに強い動物と言われており、冬の寒さより夏の暑い時期に病気予防の対策を練っている飼い主は多いと思いますが、冬場も注意しなければいけばいけません。冬は気温が低く乾燥しているシーズンです。冷たい空気が粘膜を刺激する事で起こる炎症やウイルスによる感染といった病気の心配があります。冬に気を付けたい犬の病気について紹介します。

冬に気を付けたい犬の病気

人間よりも体温が高い犬は寒さに強いと考えられていますが、子犬や老犬、短毛種など寒さに弱い犬種も多くいます。また、冬の寒さや乾燥は犬が寒さに強い動物だといったものの、寒さで体調を崩したり病気になってしまうことがあります。

冬場に気を付けたい病気について知っておきましょう。

1.皮膚疾患

乾燥による皮膚のトラブルに気をつけましょう。

肉球のひび割れ

乾燥によって肉球がひび割れ、愛犬が舐めることにより指と指の間の皮膚に炎症が起きる指間炎などの二次被害の心配もあります。冬場の散歩で凍った道路や土の上を歩くことで肉球が傷ついてしまうことがあります。肉球のケガにも気を付けてあげましょう。

■予防法

肉球クリームなどのケアグッズを活用しましょう。舐めても大丈夫な保湿クリームなど様々な犬用の保湿製品が販売されています。また、犬用の靴や靴下なども販売されており、ケガ防止に犬用の靴や靴下を履かせて散歩に出かける飼い主もいます。ただし、犬が靴や靴下を履いて歩いている姿はなかなか馴染みがなく犬も靴を履くことに慣れていないと難しいかもしれません。慣れていないと歩き方がぎこちなくなりケガをしてしまう恐れがあります。無理に履かせたりせず、室内ドッグランを活用したり、毎日のケアでカバーしてあげましょう。

乾燥による皮膚病

乾燥によって皮膚の状態が悪いとフケが出たり、痒くなることで掻いたりすると掻き傷ができたりトラブルが悪化していきます。また、犬によっては脂分泌が活発になり脂漏症という皮膚炎になってしまう場合もあります。

脂漏症(しろうしょう)

犬の皮膚の機能が低下し状態が悪くなる事で犬の皮膚が脂っぽくなっていたり、乾燥しすぎていたりする病気。脂漏症になると、フケが増加し皮膚に痒みが出るため犬が引っ掻いたり、舐めたりしてしまうことで皮膚に二次的な被害が出る事もある。

■予防法

犬が室内で過ごしやすい温度は大体23~26度くらいです。湿度は40~60%程度と言われています。冬場は犬も乾燥するので加湿器を活用してあげましょう。

2.呼吸器系疾患

乾燥した冷たい空気が口や鼻に入ると気道の粘膜が刺激され副鼻腔炎や咽頭気管支炎などの呼吸器系の病気を引き起こしてしまうことがあります。副鼻腔炎や咽頭気管支炎などの呼吸器系の病気は悪化すると肺炎を引き起こしてしまうことがあり、子犬や老犬など免疫力の低い犬は特に気を付ける必要があります。気管がつぶれて呼吸がしづらい気管虚脱や心臓の弁が機能せず、血液が逆流してしまう僧帽弁閉鎖不全症を患っている犬は喉が乾燥し咳が増えると病気の症状がさらに悪化してしまう心配があるため乾燥予防対策には十分注意してあげましょう。

  • 副鼻腔炎の心配
  • 咽頭気管支炎の心配
  • 肺炎の心配
  • 細菌やウイルスによる気管支炎の心配
    -犬ジステンバー
    -犬パルボウイルス など

■予防法

部屋の通気を良くして乾燥する日は加湿器を活用して部屋の中の湿度を犬が過ごしやすい40~60%程度になるようにしてあげましょう。

3.循環器系疾患

寒さに弱い犬は特に寒さからあまり動かなくなり、飲水量や活動量が減ってしまいます。水の摂取量が減り、体をあまり動かさずトイレに行く回数が減ると膀胱炎の心配があります。

また、暖かい室内から寒い外に出ると急激な温度変化による血圧の急変があったり、寒い場所に長くいると全身の血液を体内に循環させために心臓への負担も大きくなります。心臓への負担を少なくするためには血圧を急上昇させないことが重要なため、寒暖差をできるだけ少なくした対策をとることがポイントです。暖かい室内から寒い外に散歩に出かける際には犬服を着せる、玄関で数分冷たい空気に慣れさせてから外に出る、散歩は暖かい日中にでかけるなど愛犬の体温調節にも気を配ってあげましょう。

  • 膀胱炎など泌尿器系疾患の心配
  • 心臓疾患の心配

■予防法

あまり冷たすぎない常温の新鮮な水をいつでも飲めるように用意しておいてあげましょう。水分の多いウェットフードを混ぜてあげるのもよいかもしれません。心臓疾患は高齢犬であるほど発症のリスクが高くなります。普段から塩分を控えた食事(エサ)を心がけてあげる必要があります。外出時には洋服を着せるなど急激な温度変化には注意してあげるようにしましょう。

4.関節疾患

寒いと運動不足になりがちです。寒さや運動不足で血流が滞り、筋肉は固まってしまいます。運動不足は肥満に繋がります。運動不足で肥満になってしまうと関節に負担がかかるようになり、寒い冬に急に運動すると関節を痛めてしまうことがあります。

■予防法

関節疾患の予防は関節に負担をかけないことが大切ですので、太らせないことが重要です。寒い冬でも暖かい時間帯の散歩や家の中で遊びの時間を設けるなど適度な運動も大切になります。

5.その他

ドライアイ

冬は目も乾燥します。犬種によっては目がとても大きい犬もいます。乾燥により角膜や結膜が炎症を起こしドライアイ(乾燥性角結膜炎)を発症するケースがあるなど乾燥による目のトラブルにも注意が必要です。特に冬場の愛犬の目のケアにはうるおいを逃さないように適切なアイケアを行ってあげましょう。

■予防法

ドライアイは目の周りを清潔に保つことが予防になります。愛犬が目をショボショボさせていたり、目やにが増えたりといった場合には早めに動物病院に相談し保湿用の目薬などを処方してもらうようにしましょう。犬のドライアイは明確な予防法などがなく早期発見・早期治療で対処する事がポイントです。

食中毒・細菌性の胃腸炎

冬は感染症が流行するシーズンです。犬も細菌やウイルスには注意する必要があり、細菌やウイルスによる食中毒や胃腸炎で嘔吐や下痢の症状を発症してしまう犬がいます。犬の体温は平熱が37度~39度程と高く免疫力は高いですが、高齢犬などは免疫力が下がってきている傾向にあるので注意が必要です。

■予防法

高齢犬は特に胃腸に負担がかかる食事(エサ)は避けるようにしましょう。餌は常に新しいものを用意し食べ残しは処分するようにしましょう。

犬カゼと呼ばれる「ケンネルコフ」とは?

犬にケンネルコフ(伝染性気管支炎)を引き起こす可能性があるウイルスを犬パラインフルエンザと言います。

ケンネルコフは鼻水やくしゃみ、咳、目ヤニなどの症状が出る非常に感染力が強い「犬カゼ」と呼ばれる感染症です。感染症であるケンネルコフも空気が乾燥する冬のシーズンに感染が広がりやすいとされています。ケンネルコフは犬同士で感染が広がり人に移ることはありませんが、犬がよく集まる場所で愛犬がケンネルコフを貰ってきてしまう可能性があります。

ケンネルコフは、免疫力や抵抗力が低い生後6週~6カ月齢の子犬が発症しやすいと言われています。また、免疫力が落ちてきている老犬も注意が必要です。

主な感染経路
  • 感染した犬との接触
  • 感染した犬の咳やくしゃみが体内に入ることで感染

参考感染しやすい場所

犬が多く集まる場所で感染が広がりやすいです。

  • ペットショップ
  • ドッグラン
  • ペットホテル
  • ドッグショー
主な症状

ケンネルコフは感染してから発症するまで3~10日ほどの潜伏期間があると言われています。症状が悪化すると発熱が出たり、膿のような黄色い鼻水が出たり、肺炎を引き起こしてしまうこともあります。

  • 乾いた咳
  • くしゃみ
  • 鼻水
  • 目ヤニ
  • 食欲の低下
  • 元気がなくなる

予防ワクチンで防げる病気です!

ケンネルコフは犬の混合ワクチン接種で予防する事ができます。

犬のワクチン接種は、感染症の原因となる病原体に対抗する免疫を体に作るために接種する予防接種です。犬も犬がかかってしまう感染症から予防するためにワクチン接種を行います。ケンネルコフを予防するワクチンは摂取が義務付けられている狂犬病予防のワクチンとは異なり、飼い主の自主接種になりますが、年に1回動物病院などで摂取してあげるようにしましょう。

犬の混合ワクチンは混合ワクチンを製造しているメーカーによって何種のものを取り扱っているか異なります。獣医師と相談しドッグランなどによく遊びに行くようであればケンネルコフ予防が対象となっている種類を選択するとよいでしょう。

ペット保険の補償対象外

ペットの医療費の備えにペット保険に加入していても予防接種をせずにケンネルコフで動物病院にかかった医療費はペット保険の補償対象外となる場合があります。ペット保険は先天性の異常やワクチン接種よって予防が可能な病気でかかった医療費は補償対象外となっていることが多いです。ただし、契約する保険会社によって条件は異なりますので、重要事項説明書や約款などを確認しておきましょう。

ペットの病気にはペット保険で備える

冬は夏よりも犬にとって過ごしやすい季節ですが、ケガや病気と無縁なわけではありません。空気が冷たくなると冬場に起こりやすい病気があります。どのタイミングで愛犬が突然ケガや病気を発症してしまうかは分かりません。急遽、愛犬を動物病院に連れて行かなければいけないことになっても費用の心配をせず動物病院の受診ができるようにペット保険の加入があると安心です。

ペットの医療費は人にあるような健康保険制度がないため全額飼い主の自己負担です。そのため、愛犬に少し異変を感じてもはっきりとした体調の悪化が見られないと動物病院への受診をためらってしまう飼い主もいるでしょう。しかし、病気は早期発見・早期治療によって辛いはずの闘病生活を軽減する事ができたり、病気後のQOLを高めてあげる事ができます。

ペット保険は、ペットが病気やケガで治療を受けた場合にかかった費用を限度額や一定割合の範囲で補償する保険です。一定の限度額以内であれば保険対象の治療費の100%を補償するというプランもありますが、多くのペット保険では治療の70%や50%を補償するという形になっています。さらに、ペット保険は基本補償である「通院補償」「入院補償」「手術補償」の組み合わせで選択し加入します。愛犬に病気やケガの疑いがあった時に早期に医療費を心配することなく早期に動物病院で診察に向かえるようにペット保険があると心強いでしょう。

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