毎年多くの人を悩ませるスギ花粉ですが、毎年3月から4月にかけては鼻水や目のかゆみに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。実は犬も花粉症になることがあります。花粉による犬のアレルギー症状について適切に対処していきましょう。
犬の花粉症の原因
花粉症はスギなどの植物の花粉が体内に入った時に免疫反応が過剰になり、異物(花粉)を体から出そうとしてくしゃみや鼻水などの症状が引き起こされます。犬の花粉症の原因となる植物ははっきりと分かってはいませんが、ブタクサの花粉といわれているようです。
犬の花粉症の症状
犬も花粉によるアレルギー症状が出ることがありますが、人間とは違い皮膚の症状が多いといわれています。くしゃみや鼻水も出ることもありますが、人間のようにずっと出続けることはないようです。そのため、犬の場合は花粉症ではなく「アレルギー性皮膚炎」と呼ばれることが多いようです。皮膚の症状が多いことから犬が花粉症になっているか気づきにくいこともあるので、以下のような症状が出たら気を付けてみてみましょう。
- 皮膚をかゆがる
- 目のまわりや体を掻く
- 体をよく舐める
- 体を壁や床にこすりつける
- 皮膚に発赤が出る
- 鼻水が多い
- 咳やくしゃみが出る
また、花粉が飛ぶ季節に症状が出やすいため、特定の時期にだけ皮膚をかゆがり冬になると症状が落ち着くなどの場合は花粉によるアレルギー症状かもしれません。
犬の花粉症の対策
花粉症の対策としては、人間と同様でアレルギーの原因となる花粉をできるだけ避けることが大事になります。
花粉が多い日の散歩は避ける
晴れていて風の強い日や雨が降った後の晴れた日、気温が高い日や乾燥した日は花粉が飛散しやすいといわれています。花粉が多い日の散歩は控えた方がよいでしょう。
散歩の時に洋服を着せる
散歩の時はなるべく洋服を着せることで花粉が付くことを防ぎましょう。犬の花粉症の原因となる植物を避けて散歩をすることも大事です。特にブタクサは公園や空き地、土手などの草むらに多く生えています。できるだけ草むらを避けて散歩をしましょう。
散歩の後に体を拭く
散歩が終わったら家に入る前に体を拭いたり、ブラッシングをしたりして犬の体についた花粉を落としてあげることも良いでしょう。散歩の時に着せた服は脱がせ、飼い主も衣服についた花粉を払い落とすなど、家の中へ花粉を持ち込まないように心がけましょう。
シャンプーをする
シャンプーで花粉を落としてあげることも花粉症対策として有効です。花粉がつきやすい顔周りや手足はよく洗うようにしましょう。また、皮膚が乾燥していると皮膚の水分が奪われてしまい、皮膚のバリア機能が低下しやすくなります。保湿などのスキンケアもしてあげることでより効果的になるでしょう。
室内環境を整える
家の中をこまめに掃除したり、床を水拭きしたりして家に入った花粉を取り除くことも大事です。人間の花粉症対策でも同じですが、外干しした洗濯物や布団にも花粉がつくため、衣類乾燥機や空気清浄機を活用するのも有効な方法といえます。
花粉症かも?と思ったら動物病院へ
愛犬が体をかゆがる、皮膚が赤くなるなどの症状が見られたら、まずは動物病院を受診しましょう。花粉症の症状は他の病気や感染症の症状にも似ているため、花粉症かどうかの区別は難しいです。動物病院へ行き必要に応じて検査をすることで、原因を特定することができます。アレルギー原因が分かれば、その植物等を避けるなどの対策もしやすくなります。
体の痒みが強い場合には、炎症を抑える塗り薬やかゆみ止めが処方されます。また、舐める・掻くことを防ぐため、エリザベスカラーや服を着用することもあります。
アレルギー検査の費用はいくらかかる?
もし犬が花粉などのアレルギー症状で皮膚炎になった場合、花粉やハウスダストなどの原因を特定する「アレルゲン特異的IgE検査」をおこなうと数万円にもなることがあります。人間のように公的医療保険がないため、動物病院での医療費は全額飼い主の自己負担になってしまいます。
そんな時、ペット保険に加入していれば高額な出費にも備えることができます。保険会社にもよりますが、治療の一環としておこなうアレルギー検査はペット保険で補償されることが多いようです。しかし、花粉症になっていない健康な犬に、予防としてアレルギー検査をおこなう場合は一般的に補償対象外となります。
花粉が飛んでいるからと言って散歩やお出かけを完全になくすのは犬の健康にとってもよくありません。花粉症を早期発見することで花粉を避ける対策を取れることができ、アレルギー症状を緩和して犬の負担を減らせます。花粉症かな?と思ったら早めに動物病院を受診して適切な治療を受けましょう。
ペット保険とは
ペット保険は、ペットが病気やケガで治療を受けた場合にかかった費用を限度額や一定割合の範囲で補償する保険です。一定の限度額以内であれば保険対象の治療費の100%を補償するというプランもありますが、多くのペット保険では治療の70%や50%を補償するという形になっています。さらに、ペット保険は基本補償である「通院補償」「入院補償」「手術補償」の組み合わせで選択し加入します。愛犬に病気やケガの疑いがあった時に医療費を心配することなく早期に動物病院で診察に向かえるようにペット保険があると心強いですね。