人が生命保険に加入する際には現在の健康状態や過去の傷病歴などについて告知する義務があります。ペット保険に加入する時も同じようにペットの現在の健康状態や傷病歴についての告知が求められます。健康状態を言葉で伝えることができないペットですから飼い主が代わりにペットの健康状態について告知します。その際に、ペット保険加入で傷病歴を隠して加入してもバレずに加入できそうですが、どうなのでしょうか。また、ウソの告知がバレてしまったらどうなるのでしょう。ペット保険の告知義務について知っておきましょう。
目次
ペット保険の告知義務違反はバレる
ペット保険の告知義務について
ペットも人間同様にペット保険に加入する際には、現在のペットの健康状態や傷病歴を正確に告知する「告知義務」があります。告知内容に沿って加入条件を満たしているかの審査が行われ加入の可否判断が行われます。
参考までに一般的な告知内容を紹介します。
告知内容
- ペットの種類や品種(犬種や猫種など)
- 生年月日
- 体重
- 傷病歴、持病(既往症、先天性疾患)
- 通院歴(過去数か月以内の通院状況)
- 現在の通院状況(現在、治療中の病気)
- ワクチン接種の有無
ペット保険では、基本的に先天性の病気はペット保険の補償対象外です。現在、特に異常が見られなくても先天性の疾患があることが分かってるのであれば正確に申告する必要があります。
ウソの告知はバレる
ペットは人間のように言葉を発する事ができません。ペットが自分で伝えることがないため、ペット保険にウソの告知を行って加入してもバレなさそうですが、隠し通すことは難しいです。ウソの告知は、ほぼ確実に保険会社に見抜かれてしまうと考えておきましょう。ウソの告知を行ってペット保険に加入できても「告知義務違反」であることが発覚すると保険金が支払われなくなったりします。故意ではなく病気やケガといった傷病歴を忘れてしまっており、告知漏れがあったような場合でも例外なく告知義務違反となります。
告知義務違反と判断されれば、補償を正しく受けることができません。
ウソの告知はいつバレるの?
ペット保険の告知内容の虚偽がバレるタイミングは2回あります。この他にも何かのタイミングで告知義務違反が発覚し、ウソの申告がバレてしまうこともあります。
1.ペット保険を申し込んだ時
ペット保険の申し込みを行った時には加入可否の判断を行う審査があります。保険会社のプロがペットの年齢や記載内容に矛盾がないかなどの厳しいチェックを行います。ペット保険の会社に協力している獣医師が虚偽の申請を見抜く場合もあります。通院歴に不審な点があれば、直接、受診した病院に連絡し確認する場合もあり、ペット保険に申し込んだタイミングでウソがばれてしまいます。
2.保険金の申請を行った時
ペット保険に傷病歴、持病などを隠してウソの告知を行いペット保険に加入できたとしても、ペットが動物病院で診察を受け保険会社に保険金の申請をしたときに虚偽の申請が発覚するというケースがあります。この場合では、ペット保険加入時の審査では加入できたとしても補償は受けられないということになります。保険会社に補償の申請を行った際に、申請内容におかしな点がないか調査が行われます。場合によって保険会社は動物病院に連絡を入れて確認を取る場合もあります。そのような調査から虚偽の申請はバレてしまうのです。
虚偽の告知でペット保険に加入できても保険金の申請を行った際にウソがばれてしまうため、結局、補償は受けられない
「告知義務違反」と判断されるとどうなる?
告知義務違反はデメリットしかない!
1.保険金が支払われない
告知義務違反であることが分かると、多くの場合、保険金を受け取ることができません。すなわち、ペット保険加入の意味がないことになります。既に保険金が支払われているような場合には、支払った保険金の返還を求められることもあります。極めて悪質だと判断されれば詐欺として訴えられるケースもあります。
2.契約の解除
悪質性の高い告知義務違反だと判断されれば、契約は解除されます。この場合、原則として、これまで支払った保険料は返金されません。うっかり忘れていたことによる告知漏れなどの場合で契約解除されなかったような場合でも保険料が高くなってしまったりとデメリットが大きいので必ずペット保険加入時には正確にあいまいな点は確認してから告知するようにしましょう。
ペット保険の告知は正確に正直に!
ペット保険に加入するためにウソの告知を行っても必ずバレるということを紹介しました。仮にウソの申告でペット保険に加入できても保険金の申請をする際にウソはバレてしまいます。そうなると、補償が受けられないだけでなくこれまで支払った保険料も戻ってこないとなると意味がありません。保険料の無駄な出費となってしまっただけです。告知義務違反は必ず発覚すると考え、一般的な告知内容で紹介した内容を正確に正直に申請することが大切です。
ペットの傷病歴を忘れないために
既に完治していても過去にケガで通院歴があることや病歴をうっかり忘れていて故意ではなくても虚偽の告知をしてしまう場合があります。悪意はないものの、それらはウソをついてペット保険に加入した場合と変わらないためそのような場合もペナルティを負うこととなります。うっかりミスで補償が受けられなくなってしまうのはもったいないためペットのケガや病歴を忘れないためのポイントを紹介します。
うっかり告知義務違反を防止するために
医療費の領収書・明細書・薬関連の書類を保存しておく
ケガや病気で動物病院で診察を受けると医療費を支払います。医療費清算の際に受け取る領収書や明細書を保管しておくと動物病院への受診歴を振り返ることができます。薬を服用しているような場合では、服用していた薬の書類を保管しておいてもよいでしょう。人間も「お薬手帳」に記録しておくことが一般的になっているのでペットの受診記録やお薬記録を保管しておくファイルやノートなどを作成しておくと便利です。
診断名・診断内容を動物病院に確認する
動物病院で受診した際の領収書や明細書で受診履歴を振り返ることができますが、正式な診断内容や病名が分からない場合があります。動物病院によっては飼い主にケガの状態や病状を分かりやすいように説明を行う中で、正式な診断名を伝えていなかったということもありますので、過去のケガや病歴について分からない場合は動物病院に確認しましょう。
ペットを家族に迎えた時にペット保険に加入する
ペットと素敵な出会いがあり、家族に迎えた時がそのペットの年齢が一番若い時になります。既往症やケガ、病歴などがない時にペット保険に加入をしておけばケガや病歴などの告知を忘れてしまうようなこともありません。ペットショップで出会うペットは誕生してあまり月齢が経過していない子が多いです。ペットショップから譲り受けるときにはペットショップの担当者から現在の状態について説明を受け、引き渡しと同時にペット保険の加入を勧められることも増えてきました。その場で勧められたペット保険に加入を決める必要はないですが、若年で健康な状態のペットがペット保険加入の確認事項も少なく加入しやすいタイミングなのでペット保険の加入の必要性については早めに検討しておくとよいでしょう。ペットが病気やケガをする前にペット保険に加入しておくと告知漏れなどの心配もなく審査もスムーズに進むでしょう。
ペット保険とは?
ペット保険は、ペットが病気やケガで治療を受けた場合にかかった費用を限度額や一定割合の範囲で補償する保険です。一定の限度額以内であれば保険対象の治療費の100%を補償するというプランもありますが、多くのペット保険では治療の70%や50%を補償するという形になっています。さらに、ペット保険は基本補償である「通院補償」「入院補償」「手術補償」の組み合わせで選択し加入することが一般的です。
そのため、契約通りの補償を受けるためには、告知内容は正確に正直に申告する事が重要になります。
ペット保険が補償してくれる基本の医療費
ペット保険は、ペットが将来、かかってしまうかもしれない病気や予期せぬケガをしてしまったことで支払った医療費を補償します。そのため、既往症や先天性の病気を抱えており、将来、医療費が必要になるリスクが高いと分かっている病気などに関しては補償対象外となります。ですから、告知内容にはほぼ必ず傷病歴に関する項目があります。
ペットが既に何らかの病気を抱えているような状態であれば、ペット保険に加入してもその疾患に関する補償は対象外となるため、ペット保険への加入はあまり意味がないかもしれません。健康状態が良好なペットをペット保険に加入した方が良いかどうかの判断基準は、将来、必要になるかもしれないペットの医療費で家計が苦しくならないだけの経済的余裕や貯蓄があるかどうかという事になるでしょう。ペット保険は掛け捨ての保険ですし、ペットが病気やケガをすることがなく健康な状態で居続ければ無駄になってしまいます。しかし、ペットの医療費はペットの種類や病気やケガの内容によっても変わりますが、数万円~数十万円と高額になるケースもあります。この治療費はペット保険がなければ全額自己負担となるので、その負担が家計にとって大きいと感じる場合はペット保険に加入し備えておくことを検討してみましょう。
持病があっても条件付きで加入できるペット保険も!
既に完治していてもペット保険に加入する前に骨折などケガをしたことがあったり、病気で手術をしたことがあったりするペットがペット保険に加入できないわけではありません。ケガや病歴は各保険会社で補償の判断が異なります。ケガや病歴があっても特別な条件などなく加入できる場合もありますし、加入を断られる場合もあります。審査の結果次第では条件付きで加入できる場合などさまざまです。ケガや病歴の告知は正確に正直に申告する事でトラブルのない契約に結び付くでしょう。
ペット保険は若く健康なうちに加入しよう!
既に紹介している通り、ペット保険には加入条件が設けられています。保険会社ごとに異なりますが、大きなポイントは2つです。
- 年齢
- 健康
ペット保険では新規加入できる年齢に条件を設けています。多くのペット保険では新規加入できる年齢の上限を8歳~12歳としています(犬・猫の場合)。年齢が高いと病気のリスクが高くなるので引受を制限しているのです。
ペット保険の告知内容にはほぼ必ず傷病歴に関する項目があることを紹介しました。ペット保険の加入条件には、保険に加入するペットが「現在、健康であるか」ということが重要になるのです。
これらのことを踏まえると、ペット保険の加入で主に壁となるのが年齢と健康状態ということが分かります。健康状態が悪いペットを制限なく加入させると保険金請求額も多くなるので、健康なペットも巻き込んで保険料を上げる必要が出てきます。それでは不公平なのでリスクの高いペットはペット保険の加入が制限されるのです。新規加入可能な年齢自体にも上限がありますし、年齢が高くなると健康状態が悪化する可能性も高くなるので、ペット保険に加入したいという場合にはできるだけ健康な若いうちに加入するようにしましょう。
愛するペットが健康であれば、「今」が最も若い瞬間ということを知っておこう!