
ペットには健康保険がないため、ケガや病気をした時の治療費は全て飼い主負担となります。ところが、近年の物価高騰に伴い動物病院の治療費も値上げ傾向になっており、「最近、動物病院の支払いが一昔前より高い気がする……」と感じている方もいるのではないでしょうか。ペットの治療費を安く抑える方法を紹介します。
治療費が高くなる理由
近年、治療費改定をおこなう動物病院が多くなっています。なぜペットの治療費が高くなるのでしょうか。
人件費や賃料の高騰
特に都市部にある動物病院や、立地が便利で通院しやすい病院、獣医師やスタッフの人数が多い病院は人件費や賃料が高くなる傾向にあります。
また、専門医がいたり最新の設備を揃えていたりする病院も診療費用が高いことが多いですが、その分高度な医療が受けられるというメリットもあります。料金が高いからこそ、医療サービスの充実や通院の安心感につながっている動物病院も多いのです。
原材料費の高騰
また、原材料費の高騰により医療資材や医薬品の価格も値上げとなっています。そのため、診療費を改定する動物病院も少なくありません。
以前から通っているかかりつけの動物病院でも、これらの理由によって治療費が値上げとなるケースもあります。値上げとなる内容や料金については事前に告知されていることが多いため、ホームページやSNS等で確認しておくとよいでしょう。
治療費を安くするには?

愛犬や愛猫が病気やケガをした場合、軽い症状の下痢や皮膚炎は数千円で収まることもありますが、手術が必要など治療内容によっては数万円~数十万円もの治療費がかかる可能性があります。治療を受ける前に安く抑える方法はあるのでしょうか?
動物病院を比べる
ペットの治療は自由診療となるため、動物病院ごとに初診料や手術料などの診療費を自由に設定することができます。同じ治療を受けても動物病院によってかかる診療費は異なるため、各病院の診療費を比べてみましょう。特に健康な時に受ける予防接種代はある程度の目安になります。動物病院のサイトに予防接種のワクチンや避妊手術の費用などを載せていることもあるため、相場と比較して安いかどうかを確認してみるのもよいでしょう。
ペットの治療費の相場
動物病院での治療はどのくらいのお金がかかるのでしょうか?ここでは、全国の動物病院の診療費の中央値を紹介します。
中央値とはデータを小さい順に並べたときに中央に位置する値のことです。例えば、「1、2、3、4、105」という5つの数字の場合、小さい方から3番目の3が中央値です。平均値は極端に大きい数値に引っ張られて23となるため、中央値の方が実態に近い数値といえます。
| 項目 | 中央値 |
|---|---|
| 初診料 | 1,500円 |
| 再診料 | 750円 |
| 狂犬病予防接種 | 4,000円 |
| 犬混合ワクチン(8 種・9 種・10 種) | 8,750円 |
| 猫混合ワクチン(FeLV を含むもの) | 6,250円 |
| エックス線検査(単純撮影) | 4,000円 |
| 腹部エコー | 4,000円 |
| 全身麻酔 | 11,250円 |
| 猫去勢 | 12,500円 |
| 猫避妊(卵巣切除) | 22,500円 |
| 犬去勢 | 17,500円 |
| 犬避妊(卵巣切除) | 27,500円 |
| 大腿骨骨折 | 62,500円 |
出典:日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(令和3年度)」
最新の設備や専門的な治療ができる病院、立地や診療時間などの利便性が良い病院などはその分のコストが上乗せされるため治療費も高くなりやすいです。安さだけで選ぶのではなく、主治医の対応や治療方針の説明に過不足がないかなど総合的な目で判断することが大切です。
また、ペットが健康なうちにかかりつけの動物病院を決めておきましょう。ケガや病気になってから病院を探すとなると、時間がなく十分に比べることができない可能性があるからです。
定期的に健康診断を受ける
万が一病気になってしまったとしても、早期発見でき治療に繋げることができれば薬物療法や食事療法で改善するケースもあるため、医療費の負担も軽くなります。言葉が喋れない動物だからこそ、具合の悪い様子が見られた時には病気が進行していたというケースもありえます。「若いから大丈夫」と思わずに年に1回以上は健康診断を受けていき、愛犬や愛猫の健康を守っていきましょう。
ペット保険に加入する
ペットの治療費は全て飼い主が自腹で支払いますが、手術や入院が必要になった場合、数十万円もの費用がかかってしまうこともあります。家計から高額な治療費を払うのが難しい場合にはペット保険への加入を検討してみましょう。
ペット保険では病気やケガの治療をした時に、補償割合に応じて治療費を受け取れます。例えばペットの治療費が10万円かかった場合、補償割合70%のペット保険に加入していれば70%の7万円が保険金として受け取れ、自己負担分は30%の3万円で済みます。ペット保険は貯金が少なく治療にまとまったお金を出すのが難しい方や、高額な最先端の治療を受けてほしいと思っている方に向いています。
「まだ元気だから大丈夫」と思っていても、ペット保険は病気やケガをしてからでは加入できなかったり、その病気が補償対象外になったりすることがあります。動物病院の支払いが以前より高く感じられる今こそ、治療費がさらに重くなる前に、健康なうちから備えておくことが大切です。
まとめ
ペットの治療費は自由診療のため動物病院ごとに差があり、近年は人件費や賃料、医療資材・医薬品の値上がりにより高くなる傾向があります。治療費を抑えるには、健康なうちに複数の動物病院を比較して信頼できるかかりつけ医を見つけ、定期的な健康診断で病気の早期発見につなげることが大切です。さらに、高額な手術や入院に備えてペット保険に加入しておくことで、万が一の際の経済的負担を軽くし、納得のいく治療を受けやすくなります。

