
犬や猫を飼う上で欠かせないのがオーラルケア。歯周病を防ぐためにも日常的に歯磨きをすることが大切です。もし、口の臭いや歯石が気になる場合は歯石除去などをおこなうことがありますが、ペット保険は使えるのでしょうか?
歯科治療は補償対象になる?
硬いものを噛んで歯が折れた場合や、歯周病等の治療の一環として歯科治療をおこなう場合はペット保険で補償されることがあります。保険金を請求する際には、治療した動物病院から診療明細書に傷病名や症状名を記載してもらうなどの手続きが必要になるようです。ただし、すべてのペット保険で歯科治療が補償される訳ではなく、一部の保険会社では歯科治療を補償対象外と定めている場合もあります。
また、ペット保険に加入する前に歯周病になっていた場合も対象外になるため注意が必要です。保険会社によって補償対象となる治療は異なるため、「治療費を請求しても保険金が下りなかった…」という事にならないよう、ペット保険加入前によく確認しておくことが大切です。
予防目的は補償対象外になる
ペット保険は病気やケガによる治療費を補償するものです。そのため、多くのペット保険では予防目的や美容目的での歯科治療は補償対象外となっています。歯周病の予防のために歯石除去をしたいと考えていても、ペット保険ではカバーされないため注意しましょう。
歯科治療の内容は?
人間と比べて口腔内環境が異なることから、犬や猫が虫歯になることはほとんどありません。しかし、歯周病にはかかりやすく、3歳以上になると8割が歯周病を発症しているといわれています。
歯周病の初期症状はあまりなく、飼い主も気付かないうちに進行し口臭や歯茎からの出血などの症状が現れます。もし歯周病で歯科治療が必要になった場合は、どんな治療を受けるのでしょうか。歯周病以外でも歯に関する治療もみていきましょう。
歯周病の場合
軽度の歯周病の場合は歯石除去がメインとなり、痛みがある場合は投薬での治療もおこなわれるようです。
歯肉へ炎症が広がり、重度の歯周病になると歯がグラグラし抜歯をおこなうこともあります。炎症が進むとあごの骨が薄くなる場合や、口と鼻の間の骨が溶けて穴が空き鼻炎に繋がるケースもあります。症状によっては抜歯や歯肉縫合をして穴を塞ぐ治療が必要です。
さらに歯肉の血管に細菌が入り込むと血流に乗って全身に回り、腎臓病や心臓病、糖尿病などを引き起こす可能性があります。
歯折した場合
ケージを齧ったり硬いものを噛んだりして歯が折れるケースもあります。
軽度の場合は歯にかぶせ物をして修復する治療をおこないます。欠けた歯から神経が見えている場合は細菌感染などを引き起こしてしまうため、根幹治療または抜歯が必要になります。
歯周病が進行したり、折れた歯や欠けた歯をそのままにしたりしてしまうと歯の痛みから食欲が低下するなどペットの健康に大きな影響を与えてしまいます。そのため、軽度の症状でも動物病院を受診して重症化を食い止めることが大切です。
歯科治療費の相場は?
ペットが治療を受ける時には自由診療となるため、動物病院が自由に治療費を設定しています。それでは、歯科治療を受ける時にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。日本獣医師会の「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査」によると、歯石除去は11,250円、抜歯は2,500円が中央値となっています。
| 項目 | 中央値 |
|---|---|
| 歯石除去 | 11,250円 |
| 抜歯 | 2,500円 |
| 根幹治療 | 6,250円 |
| 全身麻酔 | 11,250円 |
| エックス線検査(単純撮影) | 4,000円 |
出典:日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(令和3年度)」
中央値とは
一般的に、歯周病の検査ではエックス線検査(レントゲン撮影)をおこなうことが多く、歯石除去や抜歯などの歯科治療を受ける際には全身麻酔が必要になります。麻酔前の検査費用や麻酔費用等も含めると3万円ほどの治療費がかかるでしょう。歯周病が重症化し歯肉縫合などの高度な治療が必要な場合は治療費が10万円以上になるケースもあります。治療費の負担が心配な場合はペット保険で備えることも検討していきましょう。
日々のケアが大切

愛犬や愛猫の歯の健康を守るためには毎日のケアが大切です。歯石の原因となる歯垢がつかないように歯磨きをしてあげましょう。お口のケアとして歯磨きガムや歯磨き用のおやつ、デンタルスプレーなどのアイテムも活用していきましょう。
特にシニア犬、シニア猫になると唾液の分泌が減ったり、水を飲む量が減ったりすることから歯周病になりやすくなります。高齢になると全身麻酔が使えなくなる場合もあるため、健康で若いうちから歯のケアをしていくことが大切になります。ペットの口臭がきつくなる、歯茎の腫れや出血がある場合は動物病院を受診しましょう。ペットに気になる様子があっても治療費が気がかりとなり受診が遅れてしまうと、症状が進行してしまうかもしれません。お金の心配をすることなく動物病院を受診できるようにペット保険に加入しておくと安心です。
まとめ
病気やケガの治療のために歯科治療をおこなう場合、ペット保険が使えることがあります。治療内容によっては高額な費用がかかる可能性があるため、治療費がかかると家計が苦しくなる場合はペット保険で備えておくとよいでしょう。ただし、歯科治療は補償対象外としている保険会社もあるため、加入前にはペット保険を比較してよく確認することが大切です。
