愛犬の健康維持のために散歩による適度な運動がとても大切です。犬は小型犬から大型犬といったように体の大さに幅があり、犬種によって異なります。そのように体の大きさが異なる犬ですが、それぞれどのくらいの散歩量が必要なのでしょうか。犬種や体型、年齢、健康状態などによっても必要となる散歩量は異なるようです。愛犬の健康維持のためにも犬の散歩の重要性について考えて見ましょう。
犬の必要な散歩時間と注意点
犬の散歩は、成長具合によっても異なりますが、成犬の場合は最も運動が必要な時期となり、犬のストレス解消や運動のためにも1日2回、朝と夕方に行うことが理想的です。真夏のような季節では、夕方と言っても熱中症などのリスクが高く地面もまだ熱いことがあります。そういった時には夜間に出かけるなど時間帯をずらして散歩に出かけるようにしてあげましょう。
散歩について
小型犬
チワワやポメラニアンといった小型犬は家庭の中で飼育されることが多い犬種です。小型犬は体が小さいため行動の制御がしやすく飼い主が扱いやすいという点から飼いやすい犬種として人気です。小型犬のブームもあり、超小型犬も人気を博するようになりました。
そのような小型犬は「散歩は必要ない」と言われることがあります。家庭の中での遊びで毎日十分な運動ができていれば運動量が足りていることもあるかもしれません。しかし、毎日家庭の中だけでの遊びで必要な運動量を賄うのは大変です。散歩は運動としての役割だけでなく、ストレス発散や気分転換といった役割もあるため、散歩が必要ないといったことはありません。小型犬であっても、散歩には連れて行くようにしましょう。
また、小型犬といっても狩猟犬として活躍していたトイ・プードルはパワフルで走ったりパワフルに遊ぶことが大好きだったりします。そういった犬は散歩やドッグランが大好きだったりします。パワフルで活発な運動量が多い犬であれば毎日の散歩は重要になってきます。
中型犬
中型犬は、毎日の散歩が欠かせない運動量の多い犬種が多いです。中型犬では、日本犬で代表的な柴犬、スポーツ万能で犬種の中でもとても賢いと言われるボーダー・コリー、フレンチブルドック、ビーグルなどがいます。活発な犬種が多く運動量が必要なため毎日の散歩はかかせません。
中型犬は、猟犬であった犬や筋肉質でパワフルな犬種、遊び好きな犬など犬種ごとに特徴が異なります。毎日の散歩だけでなく、ドッグランなどで思い切り走れる機会を作ってあげるようにしてあげるとよいでしょう。
大型犬
ゴールデン・レトリーバーやラブラドール・レトリーバーは大型犬として有名です。日本犬では、秋田犬が大型犬として代表格です。一般的に体重が20~40㎏の犬が大型犬に分類されていますが、「大型犬は散歩が大変」と言われることがあります。大型犬は毎日の散歩による運動は欠かせませんが、走るというよりもゆっくり時間をかけて長い距離を歩くということが望ましい散歩の仕方と言われます。ゆっくり長い距離を歩く散歩が望ましい理由は、体の大きな大型犬が重い体重を四肢で支えているため肢に負担がかかりやすく、股関節不全などの関節の病気になりやすいためです。たまにはノーリードで遊べるドッグランで自由に走り回ったり、気分転換やストレス解消に利用してあげましょう。また、泳ぎが上手な大型犬も多いです。プールでの水遊びは四肢への負担が少なくバランスよく筋肉が使えて楽しく運動ができます。夏場の暑い時期には、散歩の代わりに犬用のプール施設で遊んであげても気分転換になりよいでしょう。
※体重が40㎏以上の犬は超大型犬と言われます。
【犬種別】必要な散歩時間
小型犬であっても散歩は必要だということを紹介しました。小型犬であっても活発な運動量の犬種は中型犬と変わらない散歩時間が必要だったりします。愛犬の性格もありますが、できるだけ散歩には連れて行ってあげるようにしましょう。
散歩時間:20~30分の犬種/1回
- チワワ
- 狆
- パピヨン
- ビションフリーゼ
- ペキニーズ
- ポメラニアン
- マル・チーズ
- ヨークシャ・テリア など
20~30分愛犬のペースに合わせて散歩をしてあげましょう。小型犬は骨も細いことが多く脚に負担がかかるため長距離を歩くというより気分転換に外を少し歩く程度の散歩でストレス発散になります。
散歩時間:30~60分の犬種/1回
- イタリアングレーハウンド
- ウェルシュコーギーペンブローク
- キャバリアキングチャールズスパニエル
- シー・ズー
- シェットランドシープドッグ
- 柴犬
- ジャックラッセルテリア
- スピッツ
- トイ・プードル
- ダルメシアン
- パグ
- フレンチ・ブルドッグ
- ビーグル
- ペキニーズ
- ミニチュアシュナウザー
- ミニチュア・ダックスフンド
活発でパワフルな運動が好きな犬種は、1.5km~2㎞程度を散歩してあげましょう。走ることが好きな犬であれば公園などに立ち寄り、散歩中に愛犬とかけっこをしたりといった機会を作っても愛犬と楽しめるでしょう。
散歩時間:60分以上の犬種/1回
- 秋田犬
- ゴールデン・レトリバー
- シベリアンハスキー
- ジャーマンシェパード
- ドーベルマン
- ボーダー・コリー
- ボクサー
- ラブラドール・レトリーバー
大型犬は2㎞~4㎞を60分以上の時間をかけて歩いて散歩するようにしにしましょう、
ワンポイントアドバイス
犬は散歩の時間やごはん時間を覚えます。毎日同じ時間に散歩に行き、同じ時間に餌を与えていると、その時間を守ることができない時にせがむようになってしまうため大変です。あくまでも散歩やごはんは飼い主の都合で決まるものであり、決められた時間を習慣にしないようにしつけるとよいでしょう。
また、稀に家庭の中で飼育されている犬で外でしか排泄をしない犬がいます。外でしか排泄をしないようにしつけたり、習慣づいてしまうと大雨や台風などといった時にも犬を外へ排泄に連れて行かなければいけなくなります。どんな場所であっても「ペットシーツが敷かれていれば、その上で排泄をする」という風にしつけておくと飼い主にとっても楽になります。
犬に散歩が必要な理由
犬も人間と同じように運動不足は肥満の原因となります。肥満はさまざまな病気の原因になるため肥満予防のためにも適度な運動は重要になります。犬は多くの時間同じ環境で時間を過ごしていることがほとんどです。刺激が少ないとストレスをためやすく犬の問題行動の原因となったり、老化を早めてしまうともいわれています。犬の運動不足はデメリットが大きく、散歩で得られる健康面での効果はとても大きいです。
メリット1-運動不足の解消
散歩は犬にとって重要な運動です。いつまでも健康でいるためには適度な運動は必要不可欠で飼い主の管理下で暮らしている犬は飼い主が散歩に連れて行くなど愛犬の運動を管理してあげなければいけません。特に成犬にもなると家の中での遊びだけでは運動量が足りなかったり、大人になってくると子犬や成長期の頃の遊びに興味がなくなる犬もいます。外を散歩することで運動不足の解消や外の刺激を受ける事でのストレス発散が犬に良い刺激を与えます。毎日の散歩による適度な運動で愛犬の健康と筋肉を維持しましょう。
メリット2-ストレス解消、気分転換
運動不足はストレスの原因になります。ストレスがたまると吠え癖や噛み癖がついたり、攻撃的な行動をとるようになったりと問題行動を起こすようになります。元気がなくなったりストレスから病気になったりしてしまうこともあります。
散歩では、匂いや音、風、景色といった普段過ごしている環境とは異なる刺激が得られます。太陽は体内時計を整える役割があります。また、室内で飼育されている犬であれば、太陽の光を浴びて日光浴をする機会ともなり太陽の光によって合成されるビタミンDはカルシウムの吸収に欠かせず健康への影響も大きいです。散歩で季節の変化を感じることも重要です。外の温度の変化を感じ取ったり、自然に触れる事は生き物が持つ本能やホルモンバランスを保つことにも関わってくるため散歩によって得られるメリットは大きいです。
メリット-社会性
犬は散歩が外の社会と接する機会となります。外の社会で他の犬や人間と接する機会を持ち社会性を身に付けていきます。犬は初めて行く場所や知らない音や人やモノなどに警戒心を持つため、初めて会う人や来客に吠えてしまったり、チャイムが鳴ると吠えてしまったりといったことがあります。工事の音、救急車が通る音、車やバイク、電車、行きかう人など散歩によって社会にありふれる様々な変化を知ることができます。散歩だけでなく躾も必要ですが、外の世界を知ることでどんな状況でも落ち着いて対応できる犬になれるでしょう。
更に、散歩中の他の犬やドッグランや公園で飼い主と遊んでいる犬などと触れ合うことで犬同士のコミュニケーションもとることができます。犬はもともと群れで生活していた動物です。ペットとして飼育されるようになってから1匹での生活が当たり前となりましたが、外の世界で他の犬と触れ合うことにより犬社会のルールを学ぶことができます。愛犬が社会性のある賢い犬に育つためにも散歩は重要です。
まとめ
犬は散歩が大好きな動物です。散歩で体を動かすことにより筋力が付き体力を維持しさまざまな病気の原因ともなる肥満を予防する事ができます。犬種や体型、年齢、健康状態などによって必要となる散歩量は異なりますが、外を散歩させてあげることは、飼い主とのコミュニケーションや犬のストレス解消、犬の社会性を身に付けるといった運動以外で得られる役割も大きいためどの犬種であっても散歩をしてあげるようにするとよいでしょう。
犬を飼育するときには、犬の健康維持をこころがけ、愛情をもって生涯面倒がみられるのか責任をもって飼育を決断することが大切です。さらに、犬も生き物ですから人間同様に病気やケガをしてしまうことがあります。万が一、病気やケガをしてしまった時に必要となるペットの医療費は飼い主の全額自己負担になります。犬に関わらずペットを飼育する時には飼育費用に加え、一緒に暮らしていれば医療費といったようなまとまった費用が急に必要になる場合も考えておかなければいけません。そのようなペットの医療費はペット保険で備えるという方法がありますので、ペットの飼育にはペット保険の加入についても検討しましょう。